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有栖キャロの小学校物語
第20話 魔導師がやって来ました………(後編)
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「フェンリル………」
『礼を言うぞ小僧、貴様達のおかげで我も救われた』
「ああ、それは良いんだが………」
『済まないな、好き放題使われたせいで思わず体が勝手に動いてしまった。奴に話を聞きたいのなら早くしたほうが良いだろう。恐らく長くは無い、近いうちに凍死するだろうな』
「………そこまでしなくとも」
『だが、これを想定していなかった訳はなかろう』
「だけど………」
『小僧、優しいのは良いが、優しさだけでは守れる者も守れなくなるぞ』

フェンリルはそう言い残して消えていった………








「終わりだな………」

エローシュが徐々に凍っていくジランドを見ながらそう呟く。
他の皆とも合流し、色々確認したい事をあったが、取り敢えずジランドの元に集まった。
ただエクスだけは軽く自己紹介だけ済ませておいた。

「まさかガキ達にこんな目にあうなんてな………」

顔は既に青白く、誰がどう見てももう助からないと見えた。

「ねえ助けられないの………?」
「無理だな。例え真白の魔法を使ってもこの氷は溶けないだろう。それほどの力だ。そもそもフェンリルとは氷雪の王、普通の魔導師が気軽に使役出来る生物では無いんだ」

キャロの呟きにエクスが答える。
そんな答えに悲しそうな顔をするキャロ。

「………全く、今まで敵だった奴にそんな顔をするとはな………まあまだ純粋なガキならば当然か」
「何よ、アンタだって純粋かどうかは知らないけどガキじゃない」
「………まあそうだったな」

夏穂にそう言われ、少し間を置いてから肯定した。

「エクス、どうにかならないのか?俺達はまだコイツには色々と聞きたいことが山ほどあるんだ」
「無理だな………さっきも言ったがこの氷を破る程の魔導師が居ない。………キャロの使役出来る竜にもっと強力な竜がいれば話は別だがな………」
「えっ!?私は………」

そう呟き、押し黙るキャロ。

「………余計な事をするなクソガキ………」
「お前がどう言おうと俺はお前を殺しはしない。お前には色々と利用価値があるんだ」
「俺にも俺の………プライドがある。ガキに生かされたとされちゃ………皆の笑い者だ………」

そう言うジランドの体は既に肩ほどまで凍ってしまっている。

「一つ忠告をしてやる………これで終わりだと思うな………俺達の組織はそこのガキが持っているデータを狙っている………俺みたいな末端な下っ端に苦戦しているようじゃ………全員殺されるぞ?」

「下っ端………?」
「うそ………」

そんなジランドの言葉に信じられないのか思わず呟くエリオとルーテシア。

「だが、俺がバカで良かったな。………手柄を独り占めなんて考えたおかげで逃げる時間
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