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有栖キャロの小学校物語
第20話 魔導師がやって来ました………(後編)
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が充分に得られたんだからな………組織の奴等がそのガキがデータを持っている事を知るのは当分先になるだろう。それまでに精々逃げるがいいさ………」

そう言ってニヤリと笑うジランド。
その顔には恐怖の色は無く、これから起こる出来事を楽しみにしているようだった。

「あ、あの………!!」

そんなジランドに真白が意を決して声を掛けた。

「わ、私のお父さんを知っていますか!?」
「お父さん………?」
「真白爽馬って言います!!」
「………なるほど。あのソウマ博士に娘がいたとはな………」

そう言って何か合点がいったような顔をするジランド。

「お父さんを知っているんですね!?お父さんは今何処に居るんですか!?」
「………ソウマ博士は完成した……新ベヒモスのデータを持ち去り、それに関連する………データを全て削除…し、何処かへ逃亡した………組織の方でも探し続けているが未だに………見つからない………」

そう言って首元まで凍っていくジランド。

「最後に真白だったか?一つ言っておく。………父親を探そうと思うな………父親を探すと言うことは組織と戦う事になる………そうなったらお前達ではどうしようもない。………強くなれ。父親を守れる程の力を付けろ。………まあそれまでソウマ博士が生きてればの話だがな………」

「そんな………」

「ソウマ博士は恐らく今もミッドにいるだろう。………俺の感だけどな。だが当たるぞ………死ぬ前に会えると良いな………」

「ミッド?」
「ミッドチルダ………管理局がある世界だよ」
「そこにお父さんが………」

ルーテシアに教えられ、真白は意を決した顔をする。

「後エローシュだっけか………?」
「ああ」
「一つ頼みがある………」
「何だ?」
「完全に凍ったら俺を海の底にでも沈めてくれ」
「えっ!?」
「でもそれじゃあもう誰も見つけてくれるかどうか分からないじゃない!!」

ジランドの言葉に思わず声を上げてしまうルーテシアと夏穂。

「構わないさ………。クソみたいな俺の最後を締めくくるには良い墓場だ………それに簡単に見つけられそうな場所に置いておいてもお前逹にとって都合も悪いだろう………いつ組織の奴が俺を補足するか分からんぞ?」
「あんた………」
「勘違いするな………別に助ける為にそうするわけじゃない。………俺が海が好きなだけだ………頼むぞエローシュ………」

そう言い残し、ジランドは満足した顔で最後まで氷漬けになった。

「全く………子供の俺達がどうやってコイツを海まで運ぶんだよ………」

エローシュはジランドを睨みつけながらそう呟いたのだった………
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