かくれんぼ。
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「かくれんぼしよー!!」
親戚一同が集まった夏休み。
年の近い子供がそろったら唯来の家では大抵の場合「鬼ごっこ」か
「かくれんぼ」が繰り広げられる。
その日もいつも通りのかくれんぼが開幕した…はずだった。
鬼は一つ年下の従姉妹。
唯来は一番広い部屋の一角にあるクローゼットに身を潜めた。
しゃがむと、丁度透明な収納ボックスを通して辺りがうかがえた。
と言っても、ほんの足元あたりしか見えないのだが…
「もういいかーい」の掛け声があり
「もういいよー」の返答を返す。
唯来は辺りをうかがった。
いつ見つかってしまうのかと、どきどきしながら…。
少し経つと鬼らしき影が現れ、次の瞬間には
はっきりと足元を確認できた。
息を潜める唯来…。
しかし鬼は立ち止まる様子もなく進んでいく。
じっとしていられない唯来は、鬼をおどかしてやろうと
勢い良く立ち上がる……と、
「あれ?」
辺りを見回すが誰もいない。
不思議に思った唯来は、すぐ隣の部屋にいた母親に尋ねる。
しかし母は誰も通っていないという。
いや、確かに誰かがそこにいた。
それは確かだ。
諦めきれない唯来。
「ほんとだよ!足しか見えなかったけど、あっちに歩いていっったもん」
母は、唯来が指差す方を見て顔色を変えた。
唯来もその異変に気づき、何事かと自分の指差す方向を振り返る。
指の示す先にあったのは、仏壇だった…。
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