SAO編−白百合の刃−
SAO6-兄妹の刃舞
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重い一撃を叩き斬った。
だけど、『グリームアイズ』は構わずに斬馬刀を振り回す。強力な一撃を与えるスキルを使用すれば、硬直時間が長くなり、隙が生まれる。
でも、私には関係ない。
ここで私は、ドウセツの『赤い糸』で結ばれた能力である共有効果で、ドウセツの分である『絶対回避』をしようして、前に回避して『グリームアイズ』の懐に入った。
薙刀を後ろ向きにして片手で回しながら、すぐに両手で構え竜巻の円を描くように純白の閃光を引き、振り上げた。
「そおらぁ、飛んでけ!」
薙刀スキル、『神風』
振るった薙刀の一撃は、巨漢の『グリームアイズ』をぶっ飛ばした。
この技は隙が大きい変わりに、どんな相手も吹き飛ばしてしまう。巨漢の『グリームアイズ』ですら軽く吹き飛ばすほどの勢いがあるが、遠くに飛ばしすぎるのでスイッチには向いていない。
だけど、例外を除いてね……。
そのままやっちゃって――――。
「兄! とどめ、よろしく!」
「まかせろ!」
『グリームアイズ』をぶっ飛ばし、地面に激突した瞬間には、白と黒の二本の剣『二刀流』を構えていた兄が追いついていた。
「うおおおぉぉぉぉっ!!」
兄は絶叫し、高速で剣を振るい、甲高い効果音が立て続けに唸り星屑のように飛び散る白光が空間を灼く。
敵が体制を整える余裕すら与えず、兄は絶叫しながら左右の剣を次々とグリームアイズの体に叩き込み続けた。それもさっきよりも早く、振るうごとにスピードが増して加速していく。目に止まらぬ速さで振るう剣捌きに私も、周りのプレイヤーも圧巻して呆然としてしまう。
そっか。それが、兄の持つ力なのね。
「ぁぁぁあああああ!!」
雄叫びと共に兄が振る、最後の一撃がグリームアイズの胸の中央を貫いた。
「ゴァァァアアアアアアアア!!」
グリームアイズは絶叫し全身が硬直したと思った瞬間。膨大な青い欠片となって爆散し部屋中にキラキラと輝く光の粒が降り注いだ。
「……終わった」
なんとか終わらせることができた。状況が悪い中でも覆らせることができた。
こうして六十七層以来の犠牲者が出て、少人数で挑んだボス戦、私達、双子の兄妹が隠していた『ユニークスキル』を披露しつつも第七十四層を攻略した。
失ったものあるが、一層が攻略することで、明日に生きる希望を与えることができた。
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