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SAO編−白百合の刃−
SAO6-兄妹の刃舞
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助けられた」
「それはドウセツが……」
「そうね。私が悪かったのでしょう。でも、貴女はいつもそうやって、誰に対しても救えるものならば、無我夢中に走って助けるつもりなの? そんなに自分の命が他人の命より重いって比べている?」
「比べてない。そして、自分の命が軽いって思ってない。自分が死んだら人を助けられない。命を大切にしつつ、救える命を助けるつもりで行動している。それが偉いことじゃないのはわかっている。さっきコーバッツを救えなかった人が、そんな資格はないって言われるような私でも、それでも私は救えなかった後悔はしたくはないし、逃げたくはない。お節介って言われても私は人を救うために行動する。それで人が死ななければ」

 “あの時”のように後悔はしたくない。逃げたくもない。誰かの命を救えなかったことで、誰かが悲しむのは“あの時”で十分だ。それに私も傷つきたくないのもあるけどね。
 私はドウセツに想いを伝えると、なんとも言えない淡々とした表情で返事をした。

「…………面倒な人ね」
「面倒でいいよ」
「そしてやっぱりバカなのね」
「これに関しては、否定できないよ」

 ドウセツが納得したのかはわからない。わかって欲しいとは言わないけど、自分のやったことを否定はしたくないかな? いや、それでもいいか。人が救えるなら、人を救えずに誰かが後悔したら辛い思いをするよりかは全然マシか。
 
「キリカ」
「なに」

 ドウセツは突然、顔を俯きだした。

「……庇ってくれて……その……」
「うん」
「……あ、ありがとう……」

 どこか照れ隠すようで、しかしプライドが高いのかうつ向きながら不器用な感じで発した。

「うん!」

 自分が庇ったおかげでドウセツからお礼を頂いてくれた。
 もっと早く駆けつけていれば、もっと説得していれば、コーバッツは救えたかもしれない。自分の行動が間違っているからこそ、生きて間違いを見つけて欲しかった。後悔は誰にもするから、それに向き合ってほしかった。
 そんな彼はもういない。
 それはどうしようもないこと、過ぎてしまった過去。
 これも一つの後悔。私のせいでもある。
 私はコーバッツのことは忘れない。救えなかった後悔を抱いて、生きよう。それが後悔に向きあう一つでもあるんだから。

「……それにしても」

 壁によりかかっていたドウセツは、立ち上がり、顔を向ける視線の先には『グリームアイズ』をさしていた。

「……苦戦しているようね」

 兄、アスナ、クラインが少しずつ攻撃を与えつつ、防御に徹していた。だが人数が少ないこともあるからいずれは崩れてしまうだろう。

「そうだね。もう、休んでいられない」

 HPはまだ全回復していないけど、それまで待っていたら被害がい
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