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SAO編−白百合の刃−
SAO6-兄妹の刃舞
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じゃないかと頭が過ったが、それでも私は兄達なら生きていられると信じることにして、一時任せることにした。

「ドウセツ、大丈夫?」
「えぇ……」

 力なく返事を返したドウセツは俯きながら壁に寄りかかる。
 『グリームアイズ』の進撃がないのは、今はアスナ達と交戦しているおかげみたい。とりあえず、ドウセツを救えたことでホッとしているが、ずっとそうしているわけにはいかない。すぐに復帰しないと兄達が危ない。そもそもの話、今日でボスを討伐する予定なんてなかったし、転移結晶が使えないのはかなりの痛手だ。
 幸いなことに、離脱することは可能だ。扉が開いたままでいるから、外に出れば命が助かる保障になるだろう。
 もっとも、それができればの話になるけど。やっぱり、人数が少ない。負傷している『軍』のプレイヤーの保護と、ボスを引きつけるのと、討伐する人数が足りない。下手すれば全滅だ。

「とりあえず、さっさと回復しよう。ポーション持っているよね?」

 ハイ・ボーションと言う、小さな瓶を取り出し、緑茶にレモンジュースを混ぜた味の液体を口に流し入れる。これで五分もすれば、数値的にはフル回復するけど……素直に満タンになるまで待ち続けるわけにはいかない。頃合いを見て、戦闘に復帰しよう。

「……どうして」
「え?」
「どうして……『絶対回避』を使わずに、まともに受けたの?」

 飲み干したドウセツが私に対して静かに問いかけてきた。
 顔を上げ、清ました表情をするけど、声に力はなくどこか弱々しかった。
 そこに疑問を持つとはね。あんまり思いもしなかったな。
 
「……私があそこで『絶対回避』を使ったらさ、ドウセツが喰うでしょ?」

 どんな状況でも一回だけ絶対に回避が出来る。それは自分のバーが減らないことでもあり自分だけが絶対に生き残る意味も含まれるだろう。
 『絶対回避』を使ったら、斬馬刀はドウセツに斬られていたかもしれなかったのがわかっちゃったから、避けることなんてできなかったし、ましてや『絶対回避』を使って、ドウセツを盾にするようなことなんてできなかった。

「貴女は自分より他人の命を優先させたの?」
「他人じゃないじゃない。私とドウセツって」
「そういうことを言っているわけじゃない。自分の命より他の命を優先するの? ヒーローでもなるつもり?」
「どうかな? 私のことをヒーローって呼ばれるためにドウセツを助けたわけじゃないわ。それに、他人でも、友人でも、恩人でも、私は助けちゃうかな。もちろん自分のことも大事だけど、私の場合、自分の命が消えるよりも、人が救えないことの方が恐怖なんだ」

 ドウセツは私の答えに納得してない様子みたいなので、続けて問いかけてきた。

「“あの時”もそうだったわね。死にそうになったところを
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