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形而下の神々
過去と異世界
持ち物検査
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うした?そんなにすごい名前なのか?」

 俺が興味を示すと、グランシェは眉をひそめて言った。

 「あぁ、カール・デトゥーリッヒ・ノイマンって名前なんだ」
 「ノイマン!? ノイマンって言ったらコンピュータ演算の基礎を作った人じゃないか!!」

 「そゆこと。すごいだろ?あのノイマンの先祖かもよ?」

 いや確かに凄いが疑問は残る。話によると俺達は一回滅びるんだろ?
 まぁ、何か関係は有るのかも知れんが……。

 まぁその国の国王が誰であれ、俺達には情報が必要だと言うことは確かな事だろう。

 「そういえば、タイチはもう鞄の中身は確認したか?」

 と、突然グランシェが話題を変えてきた。
 鞄かぁ、そういえばホレズ修道院に行く時に持っていた荷物はそのままだった気がする。

 レベッカとレミントのテントに入り、何故か今まで気にもしていなかった鞄を開けた。



 マイルドセブン、ジッポーライター、手帳、デジタルカメラ、一眼レフ……
 色々と使えるのか使えないのか分からないアイテムが出現する。


 もはや中身は無価値な財布、マクドナルドのレシート、使わなかったマスタードソース……
 この辺りは本当に意味がない。


 携帯電話、無線、ラジオ……
 無線は使えそうだが、電波が無いのでそのほかは使えない。

 そして最後に……

 「固焼き煎餅お得用パック……」

 絶対に使えない。いや、ある意味一番使えるか。
 食えるし。


 と、鞄を閉じようとしたとき、鞄の内ポケットに何やら硬いモノがある事に気付いた。

 「あ、これは……」

 昔タクラマカン砂漠の辺りに住んでいたウィグル民族の人から貰った、使い道の分からない木彫りの鳥。
 とっても便利アイテムらしいが、鳥の後頭部に深いくぼみが彫られている事を抜けば、本当にただの鳥の彫刻だ。

 結局ウィグル語はよく分からなかったし。
 要らないアイテムばかりだった。







 「だろうと思った。サバイバル心が足りんな、タイチは」

 鞄の中身を報告するやいなや、グランシェから発っせられた言葉だ。

 「俺なんか、ホラ!!」

 鞄の中からは中央が膨らんだ謎の綱やら、ビニール袋やら水筒やらが出て来た。
 そして数々の自称便利サバイバルグッズたちの説明を始める。

 「この紐は投石紐だ!!」

 輝くドヤ顔。
 いやいや、何故ルーマニア旅行に投石紐なんだよ。

 不可解な持ち物はまだまだある。

 十得ナイフは当たり前の様に2本出て来た。
 その他は空のペットボトルが3つに、小さいステンレスの棒もある。

 ……がらくたかよ。

 「このペットボトルと棒で簡易適
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