第1話 「舞い降りた少女」
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妙に大きい。
大きいというかサイズが合っていない。
いつもの服を来ていた筈だが、首は埋まっているし、袖からは手が出ていない。
「――――まさか……ね」
立ち上がって、確認をする。
――――ストン。
と音がした気がした。
「え゛?」
嫌な予感がする上、なんとなく予想は出来ているが恐る恐る下を見てみる。
スカートが落ちていた。
つい先程まで自分の履いていた物だ。
……………。
とりあえず、もう一度履いてみる。
――――ストン。
また、そんな音が聞こえた気がした。
「驚いた………、ここまで急激に痩せれるなんて」
誰ともなしに呟いて、スカートを拾い上げる。
――――スルリ。
今度は何かが滑り落ちた音だ。
何が落ちたのだろう?
下を見てみる事にした。
下着が落ちていた。
つい先程まで自分の履いていた物だ。
――落ち着くのよ遠坂凛。
遠坂たる者、常に優雅で在るべし。
優雅に、そして冷静に状況を確認するのよ。
服は妙にサイズが大きい。
スカートはサイズが合わず、履けない。
下着はずり落ちる。
そう言えば、妙に視線が低い気がする。
そうか―――、分かったわ!
謎は全て解けた!
私はうっかり魔術師、遠坂凛。
こっ、恋人の……士…郎が処刑されると聞いて、並行世界に彼を飛ばしたわ。
けどその時、士郎を包み込んだ光が私も包み込んでいる事に気が付かなかったの。
次の瞬間、目が覚めたら空の上に居たわ。
命からがらビルに降りた私が自分の身体を見てみると………。
体が縮んでしまっていた!!
「って………、なに考えてるんだろ、私」
第一、うっかり魔術師って何よ。
まぁ、認めたくは無いが自覚症状が無い訳でもないというのが痛い所ではある。
気を取り直して、ずり落ちたままの下着を履き直そうとするが、その前に全身を素早く確認する。
うーん、外見から推定される年齢は約十才といった所。
起伏に乏しい子どもの体型では、服のサイズが合わないのも頷ける。
「とにかく、現状の整理は後回しかな」
下着を拾い直そうとした所で、周囲に鳴り響く轟音に気が付いた。
雷でも鳴っているのか、空中が明滅している。
「嫌だなぁ、なんだってこんな場所に降りたとたん鳴り出すのよ」
そんな事を言いながら、音の方向を見つめる私。
そこで、ふとした疑問が生まれる。
「雷……横向きに落ちてる様に見えるんだけど、眼の錯覚かしら?」
自分の目の前で鳴り響く稲妻は、何故か横向きに落ちていた。
始めは単なる錯覚と思っていたのだが、その結論は直後の事態に完全否定される。
「嘘……でしょ。あれ………完全に下から上に落ちてる」
その上、槍の様な稲妻が縦横無尽に飛び交うなか
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