アインクラッド編
反抗
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
朝食を食べ終わった後、アスカたちは朝早くからボス戦を再開した。
いつもの数倍の時間を要する戦いであるが、無事に犠牲者無しで順調に事が進んでいた。
堅いだけが取り柄のボスなので当然だ。
アスカ率いる〈月夜の黒猫団〉パーティーは昨日と変わらずボス正面。
一昨日のフィールドでの実戦訓練や昨日の戦闘が活きているようで、アスカやキリトだけでなく、〈月夜の黒猫団〉の面々も頭部への攻撃を難なくこなせるようになっていた。
2時間ごとに交代して、リズ達鍛冶屋に武器の研磨を頼み、かたいパンを食べて体力補給しながら、戦い続けた。
そうして、すぐに何時間も時間が過ぎ・・・・・・
「ギガッ―――」
剣戟音がボスの悲鳴をかき消した。
「キリト、スイッチ!」
「はああ・・・・っ!!」
アスカの細剣がボスの頭を深々と貫くと同時に飛び出したキリトが高威力の連撃を頭に見舞う。
「「「「「おらおらおらああぁっっ!!」」」」」
と、野太い雄叫びを上げて前方斜めではタンクプレイヤー達が甲羅の上から斧やらメイス、長槍を叩き込んでおり、硬質の壁を叩いたような鈍い音が響く。
ボス前方担当のアスカにはボス後方担当のプレイヤー達の様子を判断することはできないが、薄暗い部屋の後方から勢いよく煌めくライトエフェクトが順調であることを如実に示している。
青白い松明の光だけが灯っているはずの薄暗い部屋を色とりどりのライトエフェクトが虹色に染め上げる。
4方向からの一斉同時攻撃で遂にボスのHPバーラスト1本が赤色に染まった。
「気を抜くなっ! 攻撃モーションの変化に気をつけろ!!」
全体を指揮している〈聖竜連合〉のサブリーダーが引き締まった声を響かせる。
既に時刻は午後6時になろうとしている。
昨日のボス戦開始から30時間以上経過した。
予定より大分早く戦闘が消化されていた。
最大の要因は全プレイヤーがボスの攻撃パターンを把握して、反撃がスムーズになったことだろう。
予定より早く終わりそうだ。
細剣を構えながらも、アスカには勝利を目前にした安堵感があった。
油断、と言うにはわずかな隙。
他の全プレイヤーも勝ちを確信していた。
だが、その隙をボスモンスターは見逃さなかったのだろう。
それとも、フロアボスとしての意地があったのか。
それは起こった。
「ギィガアアアアアァァァッッッツツツ!!」
一際大きな咆吼を上げたボスの四肢と頭部がアスカの視界から消えた。
いや、よく観察すれば甲羅の中にすっぽりと収まっている。
ズン! と重低音を響かせて甲羅が着地。
その後、凄まじい勢いで回転を始めた。
「なっ・・・・・・!?」
そこかしこから喘
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ