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ソードアートオンライン アスカとキリカの物語
アインクラッド編
反抗
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ぎ声が聞こえた。
あまりにも予想外すぎる行動パターンに誰も付いていけない。
そんな状況下、アスカは気づいた。
甲羅が回転し始めた。
ならば、次のボスの行動選択肢は1つしかない。
その場に留まっていても、意味がない。
つまり、

「っ! 全員、部屋の端に寄るんだっ!!」

アスカが叫ぶと同時に、ボスが巨体に似合わないスピードで直進し始めた。
狙いはタゲが移っていたタンクプレイヤー一団。
そのスピードも巨躯に似合わず俊敏。

だが、突発的アクシデントに対する即時対応能力こそ、攻略組に必要不可欠な力。
アスカが叫ぶより早く、ボスの攻撃の意図を読んだ彼らは敏捷値の低い自分たちでは完全回避が不可能であることをいち早く理解。
素早く軌道上に盾や得物を構えた。

轟音。
目を焼きそうな強烈なエフェクト光。

それらが衝突の瞬間に沸き起こった。
同時にタンクプレイヤー一団が押し負けた。

「嘘だろ!?」

隣でキリトが驚愕の声を上げるが、アスカも絶句していた。
この手の攻撃は同威力の攻撃をぶつけることで、相殺することができる。
タンクプレイヤー達は攻撃をしていたわけではないが、それでも、受け止めるべく踏ん張っていたのだ。
それを一撃で、しかも複数人弾き飛ばすとは尋常ならざる威力だ。

ボスは壁に激突する寸前に方向転換。
今度は後方の一団へと突貫。
慌ててプレイヤー達が避けようとするが、数人が吹き飛ばされた。
パーティーメンバーではないので確認できないが、かなりHPを持っていかれたのだろう。恐怖が顔に張り付いている。

そこでようやく停止。
一旦、顔を出したが、その硬直時間に攻撃をできる者などいなかった。

「範囲が広すぎる・・・・!!」

ボスの甲羅の直径は15メートル。部屋の横幅のほぼ半分だ。
回避スペースが狭すぎる。

それに、肝心の指揮官たる〈聖竜連合〉サブリーダーが最初の一撃を受けてしまい、指示が飛んでこない。

撤退か、血戦か。

正直、予想外なボスの攻撃パターンの変化があれば、即時撤退が常識だ。
死者を出すことが許されない状況だからだ。

しかし。しかしだ。

ここまで30時間以上戦ってきた。
多くの費用、鍛冶屋を集めるのに、苦労した。
もう一度、同様の準備を整えるのに、何日もかかってしまうだろう。
そして、メリットの少ないボス戦にこの場の全員が2回も参加してくれるだろうか。

判断が付かず全員が動けない中、再度ボスが動き出した。
やはり、凄まじい高範囲、高威力な技だけあって、硬直時間は相当のものだが、今更そんなことに気づいても遅すぎる。

頭と四肢を引っ込めたボスが回転を始める。
そのまま、今度はアスカ達のパーティーへと突っ込んできた。

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