『保護』
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ちも行こう」
「う、うん」
ウィルソン代表がそう言うと飛び立ち、『デザート・ウルフ』を纏った二人が後に続きます。
クロエは既にオスプレイに歩き出していて、私もすぐ後に続こうとして呼び止められました。
「カスト候補生!」
コールフィールド候補生が私の方に走ってきました。なんでしょう? 激しく回るローターの音で間近まで来ないと声がほとんど聞こえません。ようやく聞き取れる距離になるとコールフィールド候補生は右手を差し伸べてきました。
「ありがとうございます。これで一時的ではありますが面目が保たれました」
何の、とは言わない。誰が聞いているか分かりませんし言われなくても分かっています。
「いえ、お礼を言われるほどでもありません。あなたも私の立場でしたらああしたのでは?」
「分かりませんよ」
「ふふ、そういうことにしておきます」
私はそういうとコールフィールド候補生の手を取って握手します。ほんの数秒の握手。
コールフィールド候補生はその後何も言わずにで別れてお互いの国のオスプレイに乗り込みました。
「だー! あのくそ婆が! 今度あったときぎゃふんと言わせてやるからなぁ!」
甲板から飛び立つと共にクロエが思いっきり叫びました。
私は苦笑いしながら離れつつある『アドミラル・クズネツォフ』の甲板を見ると、葉巻に火をつけたニコラエワ中佐がこちらを見上げたのが確認できました。
(またな)
聞こえはしませんでしたけどそんなことを言われたような気が……あまり会いたくないひとですけどね。うう、今頃になって人差し指に金属の感触が……!
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