『保護』
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代表が私に話しかけてきました。
「腕については心配いりません。出血はひどかったですが神経、筋肉ともに異常はありませんでした。小さな跡は残るかもしれませんが一週間もすれば包帯も取れるでしょう。一応は安静にしておいてください」
「あ、ありがとうございます……」
「ではお三方、私は外で待っていますので準備が出来たら部屋の外に出てきてください。言うまでもないと思いますが勝手な行動はくれぐれも慎むように」
トルスタヤ代表はそれだけ言うと医務室の外に出ていきました。
クロエは色々言いたそうな顔をしていましたがここだと誰が聞いているのかも分からないと判断したのでしょう。乱暴に私の飛行機に乗るときに着ていたワンピースをベッドの下から引っ張り出すと私の顔に投げつけてきました。
「わぷ!」
「さっさと行くぞ! こんなとこに一秒も長くいたくないからな!」
「う、うん……あ、クロエ!」
「なんだよ!」
「ありがとう。嬉しかったよ」
「ふん……」
こういうお礼ってちゃんと言わないと恥ずかしくなって言えなくなってしまいますからね。
「コールフィールド候補も……助けて頂いてありがとうございました」
「いえ……一刻もはやくここを出ましょう」
「はい」
それだけ言うとコールフィールド候補はクロエと一緒に医務室を出ていきました。私は麻酔が効いて上手く動かない右手に苦戦しつつISスーツの上から服を着ると二人の後を追って外に出ます。その後トルスタヤ代表に案内されて甲板に出ると、そこには『デザート・ホーク』を纏ったウィルソン代表が率いる3機のIS部隊とイギリス所属の『ラファール・リヴァイブ』が1機、そしてオスプレイが2機待機していました。
ウィルソン代表は先に甲板に出ていたニコラエワ中佐と何か話していたようでしたが、私たちが出てくるのを見ると会話を中断して私たちが近づくのを待ってくれました。
「2人とも無事か?」
「私は大丈夫です。でもカルラが……」
「いえ、私の方も心配はいりません。一応……適切な処置はしてくださったみたいですので」
「そうか」
ウィルソン代表は私の言葉を聞くとニコラエワ中佐に向き直り敬礼をする。
「我が国の貴重な人材の保護、感謝します。ニコラエワ中佐」
「いや、当然のことをさせてもらったまでだよ。オリヴィア」
「……後に改めてお礼を言う機会もあるでしょう。今回はこれにて」
「ああ、また来い。いつでも……な」
「失礼します」
何かすごい含みがある言い方でしたけどこのお二人は何かあったのでしょうか?
「全機離床! これより我らはカスト、アシュクロフト両名の護衛に着く!」
「「了解!」」
「私た
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