SAO編−白百合の刃−
SAO36-白の妹、黒の兄
[7/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
てないわよ〜」
にこやかなセンリさんは、キリカについての魅力の話を用意しているのか、得意気な顔で話始めた。
「それじゃあ、ここにいる半分以上は知らないキリカちゃんの特別に話しちゃいましょう、ね」
とりあえず戯言をぬかせばその場で斬り捨てるのみね。
●
「はあっ!」
兄は突撃してきて、右の剣が左斜めに下ろしてくるのを薙刀で下へ受け流す、その数秒遅れて兄は左の剣を突き出してきた。
妙にタイミングをずらしての剣撃……そう簡単にはやられてたまらないわよね。
左手は掴み直し、右手を放して、柄を上げるように兄の左手から突き出す剣を弾きだして、薙刀を振るう。今度はこちらの攻撃。それに対して兄は、滑り込むようにしゃがみこんで回避をする。そうすることで私の背後を取られてしまう危険性ができた。だから私はそうならないように、瞬時に行動に移す。できたことと言えば、剣劇の範囲内に入らないように前に進んで距離を取り、背中から斬られないようにすぐさま振り返って正面から受け止めるように体勢を整った。
幸いなことに、兄はそこから追撃はせず、こちらを様子見で距離を保っていた。
「す、少しは……気を抜いたほうがいいんじゃないのかな?」
「そっち、こそ……どれだけ回避の回転上がっていくんだよ」
この一試合、どれくらい時間が経ったのかわからない。感覚的には兄を倒すために戦っているけど一日かけても倒せないでいるような感じだった。当然、実際はそんなに時間はかけてはいないし、思っている以上に時間はかかっていないのかもしれない。私としてはそんな時空からさっさと抜けだして、日向ぼっこしたい。そしてそれは兄も同じだろう。
現状、お互いに全力を出し切っても、決定打を与えていられてなかった。兄は無駄に反応がよくて、隙を見つけたところを狙っているが防がれてしまうせいで勝てないでいる。私もなんとか回避で兄を勝たせないようにしているけど……ぶっちゃっけ、きつい。頭の回転がオーバーヒートして壊れるくらいに痛い気分だ。
「そろそろさ、休みたいんだけど?」
「なんだ? キリカはまだ上がれると思っているんだけど、ここでお終いか?」
「ここでおしまいにしたいの。上げれたとしても疲れることには変わりないのよ」
「それもそうだな。じゃあ俺も疲れてきたし、休むとするか」
「そうでしょ? でも……」
やっぱり私達双子だから、言葉も行動もハモってしまう。
「「お前を倒してからな!!」」
言葉がハモった時には、地面を蹴り飛ばしてお互いに前進していた。互いに全力で足を動かし、相手に勝つように刃を振るう。そこまでは兄と一緒だ。
私は徐々にスピード落としてから急ブレーキをかけるように立ち止まらせる。
「さっそくしかけてきたか!」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ