SAO編−白百合の刃−
SAO36-白の妹、黒の兄
[5/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
口にはしないが、実はリズの言った通りだった。それは兄妹だからというものもあるけど、言葉にできない共有できるものが二人には確かにある。
「キリト君とキリカちゃんって、表面的に言えば似てないかもしれないけど、根元は似ていると思うのよね」
それを答えるようにアスナが話し始めた。
「二人のイメージのようにキリト君は黒、キリカちゃんは白というように服装の色がそのまま表しているんだよ」
「意味わからねぇ」
エックスは当然、理解できていない様子だった。その他はなんとなくわかる感じではあった。そしてどういうことか、私はアスナの言っている意味を理解してしまった。
「なんとなくわかるけど……もっとわかりやすく言ってほしいわね」
その他を代表してマリリーが再度説明をアスナに求める。
「うーんとね、キリト君って雰囲気が飄々としていて掴みどころがないじゃない。黒のように色合わさったように、淡々としているのかマイペースなのか子供っぽいのか、またまた全部そうなのかって」
「あぁ……わかるわ、それ」
リズはアスナの言葉に同意する。確かに、掴みどころ
「キリカちゃんはキリト君と比べるとわりとわかりやいのよね。明るくて元気で真っ直ぐで……そんでわかりやすいくらいにお人好し全開、一つ一つ何色にも染められない白色のように」
「……そうかもしれないわね」
私はアスナがキリカの印象を答えに同意した。本当は口に出さずに心の中で同意するだけで良かったのに、思わず言ってしまった。
だってその白色のような性格に私は救われたと同時に私が…………いや、駄目ね、これは。まだ思わないほうがいいわね。
他のみんなも納得していた。全部が全部そうじゃないけど、だいたいそんなところだろう。キリカの過去を知っていれば、ただ白色だけで描かれた人ではないことを知っている。それは黒色だけではなく、白色もある兄も同じことでしょうね。
アスナが言う、根本的に似ているってことの意味は、表面的は対となる色ではあるけど、誰かに見せないように隅っこに小さくて時にそれが大きくなる白と黒を持っていることでしょうね。
「ちょっとドウセツ、聞いてた?」
「なにが?」
「キリト君とキリカちゃんの根本的に似ているところよ」
あぁ、そっか。まだ言っていなかったんだ。
「……アスナがそう例えたのは別にいいわ。それが本当にあっているかわからないわよ」
「でも、キリカちゃんのことは同意したよね?」
「あんなの適当に合わせただけよ。心の中ではこの人なに言っているのって嘲笑ったわ」
「またそうやって捻くれる」
むぅと頬っぺたを膨らませてアスナは怒りだした。そうよ、私はいつだって捻くれ者よ。それのなにが悪い。
「話は戻すけど、リズベット
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ