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妖刀使いの滅殺者
第12話
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前衛が増えた事は月夜の黒猫団にとって大きな戦力となった。これまで時間のかかっていたモンスターにもスイッチの繰り返しで楽に倒せるようにもなった。キリトは出来る限りサポートに徹し、メンバーに経験値を譲っていた。その甲斐あって一週間後にはメインの狩り場を一つ上の階層に上げることとなった
だが、もしもだれかがキリトの体力を疑いの目で見れば減少値が異常なことに気付いただろうが、コートがレア。と言うキリトの言葉をみなが信じ、誰も疑わなかった
ある日、俺も狩りの手伝いをしていた時、ダンジョンの安置で円を作ってサチの手作り弁当を頬張りながらケイタが俺達に夢を語ってくれた

「もちろん、仲間の命が第一だよ。けどさ、安全を求めるなら今みたいに安全な場所に籠ってればいいわけだろ?でもこうしてレベル上げをするからには絶対攻略組に入って攻略の手伝いをするべきなんだ。でもさ、僕たちと君たち攻略組の違いってなんなんだろうね?」

「んー。実力とか情報量とか…色々あっから一概にこれ。とは言えねぇな――」

「そっか。でもさ結局は「意志力」なんじゃないかな?誰かを守るとか、何かを成し遂げようとする意志ってこと」

ケイタの考えに俺は素直に頷きたくとも頷けなかった。だって、攻略組がもってる意志は、自分が最強でいたい欲望の意志なのだから

「そう…かもな」

罪悪感で一杯だった。でも、それと同時にこいつらなら攻略組を変えてくれるんじゃないかと期待に気持ちも膨らんできた
後から聞いたのだがキリトも同じきもちだったという

「ねぇレイ。聞いてもいい?スキルの事…」

それが俺の妖刀をさしているのは明らかだった。でもまぁサチになら別に隠すこともないだろう、同じギルドのメンバーなんだし

「ユニークスキル、妖刀さ」

ギルドのメンバーにスキルの事を全て話すと、「戦いをみせて!」とせがまれたので、仕方なく、近くに居た≪リザード・アックス≫との戦闘を繰り広げた
黒猫団は後ろの方で「おぉー」とか「そこでそう動くのかよ!?」とかギャーギャー騒いでいた
一通り終わったところで狩りを再開した
自惚れるわけではないが俺やキリトのさりげないアドバイスのお陰で月夜の黒猫団の戦力は特筆するほど上昇していった。次々にダンジョンを制覇し、レベルも実力もかなりあがって、最前線のレベルまで5とまで迫ってきていた
貯金も順調に溜まり、夢のギルドホームも現実味を帯びてきた
しかし、サチの片手剣転向はあまり芳しくなかった。俺もキリトも気にしていなかったのだが、新加入の俺達、特にキリトに対する前衛への負担を気に病み、ギルドのメンバーは大きな行動こそ起こさなかったもののサチの剣士転向を急ごうとしていた
それは、目には見えないものの確かに大きなプレッシャーとなってサチにのしかかって
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