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『もしも門が1941年の大日本帝国に開いたら……』
第十九話
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東京での記者会見を終えた樹達一行は伊豆のとある温泉宿に来ていた。
温泉宿は全て貸し切りであり従業員達も旅行が終わるまで箝口令が敷かれて軍機であった。
「……いい湯だなぁ」
「そうですねぇ」
伊丹少佐や樹達は男風呂で頭に手拭いを置いて肩まで浸かっていた。その隣の風呂は女風呂であり、女風呂からテュカ達の声が聞こえてくる。
「元気だなぁ」
「そうですねぇ……ところで片瀬は何をしているんだ?」
「勿論覗きです」
樹の指摘に片瀬はドヤ顔で言った。片瀬の言葉に樹は溜め息を吐くのであった。
「……お前、ドンガメに配備させるように言うぞ?」
「すみません、ちょっとした悪戯です」
樹の言葉に片瀬は綺麗な敬礼をした。ちなみにドンガメとは潜水艦乗りの事である。
「わぁ、ヒルダ大きいね〜」
「羨ましいわぁ」
その時、女風呂からテュカ達の声が聞こえてきた。どうやらヒルダの話である。
「大きいのはいいが、肩が凝るからな」
『………』
ヒルダはそう言っているが男風呂ではどうしたらいいか分からず、無言であった。
「本当にぃ羨ましいわねぇ」
「お、おいロゥリィッ!! んぅ……揉むなぁ……はぅ……」
「……上がりましょうか」
「……そうだな」
ロゥリィに胸を揉まれたヒルダの喘ぎ声に樹達は若干前屈みでその場を後にするのであった。
その頃、特地では内地から五両の新型砲戦車が輸送されていた。
「これが一式砲戦車か……」
新型砲戦車の視察に今村中将自らが来ていた。
「車体自体はチハのを流用しています。砲は九〇式野砲で装甲は前面だけですが五十ミリです」
一式砲戦車と共に特地へ来た技術者が今村中将に説明する。一式砲戦車は史実より早めに完成させて(かなり大忙しに)試験目的で特地に来ていた。
「こいつらがあれば炎龍も何とか退治出来そうだな」
今村中将はそう呟いた。炎龍は派遣司令部は元より大本営でも危険生物と認定されており、早期の撃滅を思案していた。これが後にアルヌス共同生活組合に一人のダークエルフが助けを求めにやってくるのだがそれはまだ先の話である。
「参謀長、炎龍は重砲何門でやれると思うかね?」
今村中将は参謀長の栗林少将に聞いた。
「……まずは翼を攻撃して飛び立たせなくしてからでしょうな。野戦高射砲や海軍さんの零戦を大量に投入して飛ばせなくしてから九六式榴弾砲や九一式を二十門ずつ投入して砲撃するしかないでしょう」
「……良かろう。大本営にも兵器の増産を具申しておこう」
派遣司令部は直ぐに兵器の増産を具申したが大本営ではこれに頭を抱えていた。
「各砲に二
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