シオンの特技
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
午前九時〜第七十四層主街区ゲート広場〜
シオンは昨夜約束にあった通りに主街区ゲート広場に来ていた。ゲートの近くにはすでにキリトが来ていた。
「おっす、キリト」
「おお、きたか」
「どうした?そんな辛気くさい顔して?」
「いや、まあ。もう一人来るんだがな・・・」
「誰だよ?」
「それは・・・」
すると、後ろの転移門から誰かが転移してきた。
「きゃあああ!避けてえええ!」
「うぉあ!?」
「よっと」
転移門から転移してきたその人物はキリトと激突し、見事地面にキリトを押し倒した。シオンはそれをかわして、二人の様子を見た。
しばらくすると、その人物はいきなり「や、やあああ!!」という声をあげ、キリトをビンタという形で思い切りぶっ飛ばした。
そこでシオンはその人物が誰なのかわかった。
「なるほど、アスナか・・・」
アスナは腕を胸のあたりでクロスしているところを見ると、キリトが何をしたかはなんとなくわかった。
「キリト、お前も災難だな・・・」
「や、やあ。おはようアスナ」
すると今度は転移門から別の人物が転移してきた。その格好は白と赤の服紛れもなく血盟騎士団のユニフォームだった。そしてシオンはその人物に見覚えがあった。
「あれは確か、昨日アスナの護衛としていた・・・。えーっと、クラディールだったかな?」
「アスナ様。困ります勝手なことをされては!さあ、ギルド本部まで戻りましょう」
「嫌よ、今日は活動日じゃないわよ!・・・だいたい、アンタなんで朝から家の前に張り込んでるのよ!?」
『おいおい、マジかよ。そんなのやっていいのは警察だけたぞ』
「ふふ、どうせこんなこともあろうかと思いまして、私一ヶ月前からずっと早朝より監視の任務についておりました」
『もはやストーカーの域だな・・』
シオンが落胆している間に話は進んでいたようだ。クラディールはアスナの腕を掴んで無理やり連れていこうとしていた。
そこでキリトがクラディールの腕を犯罪防止コードギリギリの力で掴んだ。
「悪いな、お前さんのトコの副団長は、今日は俺の貸し切りなんだ」
「そうそう、それにいい年の大人が女の子を無理やり連れていこうだなんて、現実だったら警察に捕まるよ」
「貴様らァ・・・」
「アスナの安全は俺たちが責任を持つよ。別に今日ボス戦をやろうって訳じゃない。本部にはあんた一人で行ってくれ」
「ふざけるな!貴様らのような雑魚プレイヤーにアスナ様の護衛が務まるか!私は栄光ある血盟騎士団の・・・」
「なら・・・」
シオンは次の瞬間とんでもないこと口にした。
「俺が血盟騎士団に入ってやるよ。それで俺がアスナの護衛をやってやる」
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ