第三十七話
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「ところでミュアハ王子、昨日はお話を伺うタイミングで騒ぎが起きてしまったのでそれどころでは無かったのですが、あなたはあの凶事に対しどうしたいとかどうすればいいとお考えなのです?」
「……思いだしていただきありがとうございます。 わたしとしてはグランベルとイザークの戦を防ぎ、クルト王子とディアドラ様の身を守り、ナーガの使い手を絶やさなければ良いのではないかと思っています」
「ふぅむ。少し予想とは違いますが、そういう方針でしたら私も迷わずお力添え出来ると思います」
「……神父様が思った予想、もしかしたら」
「もしかしたら?」
「アルヴィス公とディアドラ様の持つロプトの血を絶やし、全ての禍根を断とう……というあたりではありませんか?」
「……考えるだけでも恐ろしいことですが否定はいたしますまい」
「あの……昨日のお話だけだとアルヴィスさまのロプトの血って言われてもよくわからないので教えてほしいです」
「ごめん!シルヴィにもエーディン様にもお知らせしていませんでしたね。 これからお知らせするね」
俺はヴェルトマー公ヴィクトルの話、その正妻でありロプトの一族であるマイラ家の血を継いだシギュンさんのこと、そしてシギュンさんとクルト王子の事を話した。
さらに、アルヴィスとディアドラが互いの母が同じとは知らず結ばれて、結果ロプトウスの復活が成ることも、虐げられ続けたロプト教徒の生きる支えがロプトウス復活であるということも……
「……なんだかとっても悲しいお話だね」
シルヴィアが元気なくそう言う姿に、俺も気持ちを同じくした。
「だからそれを起こしたくないんだ……」
「あたしには何が出来るかわからないけど、それでも、なんでも言ってね」
「ありがと、その言葉だけで全てがうまくいくようなそんな気になってきたよ」
シルヴィアが俺の手に自分のそれを重ねて、さらにその上に俺がもう片方の手を重ねて微笑むと、いつもの元気な彼女の姿に戻った。
「仮にお二人を幽閉するなりして血を絶やそうとしたところで、アルヴィス公には隠し子が居られるし、なにより……」
「なにより?」
「……ロプトの大司教ガレと同じ道を辿り、海を隔てた別の大陸で暗黒竜の祝福を受ける者がまた現れてはそれに何の意味も無くなりますからね」
昼も過ぎた頃に、ようやくレイミアがやってきた。
たぶんあまり寝て無いだろうにそんな様子は微塵も見せないあたり流石だ。
午前中に先に打ち合わせていたことを彼女にも余さず伝え、エーディンさんの立てた策も伝えると
危険すぎやしないかい? なんて逆に心配されるくらいではあった。
だが、ブリギッドとの仲介者のほうは未だ彼女との連絡が
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