第八話 オスティアは落ちず
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よ!!」
ナギの独白にアリカは心の底から、この男と共に生きたいと言う思いが浮かぶが、それが敵わなぬ事と振り払う。
「数十億の民の命を捨ててまで妾は生きたくはないのじゃ!」
アリカの言動にナギが驚く、精々オスティア程度の事だと思っていたのに何故数十億なのかと。
「姫さん、数十億なんて大げさだぜ」
ナギの言動に不審を感じたアリカが聞く。
「ナギ、何処から聞いておったのじゃ?」
「はぁ?オスティア云々あたりだけど?」
アリカが珍しく先走ったと言う表情をする。
「姫さん、どうしたんだよ?」
「ななな、なんでもないのじゃ」
「姫さん、何を隠してるんだ?」
「言葉の文じゃ」
アリカは、ナギに決定的なことを知られていないと判り誤魔化しに入る。
「姫さん、根性で姫子ちゃんを助けるぜ!」
「ナギ……」
無理なのじゃと言う言葉を飲み込みアリカは無言になる。
「姫さん、泣いているのかよ」
ナギは鉄仮面姫と言われたアリカが涙ぐんでいるのを見て驚く。
「何を言うのじゃ、泣いてなどおらん」
「なら良いが、姫子ちゃんはどうすれば此処から出せるんだ?」
アリカは、ナギに嫌われても彼を騙して、アスナの犠牲の上で術式を完成させようと考えはじめた。
「ナギ、判ったのじゃ。アスナを其処から出す術を詠唱するので離れていてくれ」
「姫さん、判ったよ」
ナギがホッとした表情でアスナから離れるのを見ながら、心の底から彼に詫びながらアリカは世界を救う術式詠唱を開始しようとしたが、それは間の抜けた声で中断された。
「アリカは〜ん、嘘は〜いけませんで〜♪」
気が付くとアリカの手を押さえる月詠が居た。
「月詠殿、何故此処に??」
突然の出現に驚くアリカ。
「そんなん、どうでもええ事や、アリカはんがアスナはんと自分とオスティアを犠牲になさるって言うはるからそれを止めに来ただけや」
月詠の言葉にアリカもナギも驚く。
「月詠殿何故それを?」
「月詠、姫さんは姫子ちゃんを助けるって言ってくれたんだぜ」
「ナギはん、話をよく聞かへんとあかんで、アリカはんは嘘ついてるんや」
月詠の言葉にアリカの表情が曇る。
「姫さん、俺に嘘を言ったのか?」
「そうじゃ、ナギ、我が騎士よ、妾達は此処世界を守る為に礎になるつもりじゃ」
そう言うアリカの目から大粒の涙がこぼれてきた。
「姫さん、無理すんな、俺も居るんだ」
「ナギ」
「姫さん」
見つめ合う二人。
「え〜と、二人ともええかな?」
月詠の言葉に我に還る。
「月詠、それにみんな」
「月詠殿、皆も」
いつの間にか、他のメンバーが直ぐ側に集まってきていた。
「話は聞いたぜ、水くさいぜ」
「アリカ姫、ナギ、我々は仲間なの
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