第5話
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代の教皇様が姿を現す。私は膝を付き、頭を垂れる。
『双葉よ、今でもアテナの事を恨んでおるか』
『……はい。アテナは言いました。私達の様な力を持つ様な者達は不要だと。ですが、実際はどうですか。滅んだはずの世界は再誕し、神々もまた争いを繰り返し、聖闘士は生まれ、そして滅んでいく。アテナは同じ選択を繰り返し、今度は完全に別の存在となってしまった。そんな時代に産まれてしまった私は、何を相手にこの力を振るえば良いと言うのですか。地上の愛と平和を極端に乱す存在は居らず、むしろ私が一番危険な存在だというのに』
『……』
『悩んでいた幼き頃にイッセーに出会わなければ今の私はこの力を何に使っていたか分からない。イッセーは言いました。自分勝手にすれば良いと。だからこそ、私は好きな様に生きてきました。その時まではアテナの事を恨みはしませんでした。ですが、双子座聖衣の小宇宙を読み取り、アテナがまた皆を騙しながら全てを滅ぼしたと知り、恨みました。恨んでも、辞めたと思っていましたが私は根っからの黄金聖闘士です。地上の愛と平和を乱すアテナが現れると言うのなら、私はアテナを滅ぼします』
『そうか。お前がそう決めたのならそうすれば良い。今の時代に小宇宙を操れるのはお前とお前の弟子のみだ。そしてお前が聖闘士としての使命を忘れずにいると言うのなら戦え。お前が地上の愛と平和を乱すと判断した者を。我らはそれを支持する。お前が必要だと思うのなら聖衣を集め、与えるのだ。そして聖闘士を再結集するのだ。今このときより、お前は教皇となるのだ』
『謹んでお受けいたします』
『うむ、そちらのお嬢さんは我らが連れて行こう。安心すると良い、力づくでも天国へと送ろう』
『ありがとうございます。ですが、私が見る限りではそのような事がなくとも自ら天国へと辿り着けるでしょう』
『ふむ、そうか』
『では、アーシアの事をよろしくお願いします』
『任せておけ』
『アーシア、後の事はこの人たちに任せておけば良い』
『あの、ここまで色々とありがとうございます』
『イッセーの悩みを晴らしてくれたお礼をしているだけです。あの後、イッセーは一皮も二皮も抜けてレイナーレを、愛する人を救う事が出来たのですから』
『それでも私はあなたに感謝しているのです』
『なら、その礼を受け取りましょう。そろそろお別れです』
『お世話になりました。貴方に神の祝福を』
『生憎、この身は神殺しに特化していましてね。神の祝福は受けられないでしょう』
『なら、私からの祝福を』
『ありがとうございます。では』
最後に一度だけアーシアに頭を下げ、黄泉比良坂から部室へと戻る。そこでは既に背中から悪魔の羽を生やしているイッセーとレイナーレが居た。
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