とらうま
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まった。自分が此処に居るわけを。ただ類い稀な魔力を持っていただけで此処に居ると言うふざけた理不尽を。なんで私なんだ。よりによって私なんだ。もっと適任が居た筈だ。アリサちゃんやすずかちゃんの方がなのはよりずっと運動神経がいい。お父さんやお兄ちゃんの方がずっと強い。何の取り柄も無い、
「何で私なの……?」
“No ! ”
しかし、レイジングハートは其れを否定する。貴女なんかではない。貴女だからこそなのだと。
“Believe ! Believe yourself ! ”
その言葉に引き込まれる様に手をレイジングハートに伸ばす。昼間に言われた事を思い出す。
『大丈夫。だって、なのはちゃんはとっても強いから』
出来るの?こんな私でも、何か出来るの?皆を、守る事が出来るの?
“Yes! You can do it! ”
手が、杖を掴んだ。瞬間、レイジングハートが変化した。それは機関銃のような形をした、近接戦向きなフォルムをした魔法少女の杖だった。
機関銃、その一発一発は近い未来彼女が使うであろう必殺の威力を持つ「ディバインバスター」には遠く及ばない。しかし、AAAランクの魔力を誇る彼女が使う機関銃は少し話が別だ。彼女自身のスキル「圧縮」「分散」を用いれば、その一発は並の魔術師が誇る必殺技にとどきうる。
そしてそれは発射された。なのはが引金を引く間、リズミカルに魔力弾が発射された。彼女の才とレイジングハートの助けもあり、彼女の魔力弾はレアスキルの効果を受け確実に敵の泥を吹き飛ばしていった。
「グオオオオオ」
それは確かに敵にダメージを与えている。足がすくんで動かなかった状況を考えれば、それだけで称賛に値する。上位に位置する魔導師のシールドですら、まともに受け続けたら直ぐに崩壊するであろう。これをまともに受け続けたら彼女の勝ちは動かないだろう。
最も、敵が上位に位置する魔導師程度の防御力しか無ければの話だ。
それは銃弾の嵐に身を削られながらも間合いを詰めると、一閃した。
「きゃあああああ!」
あのフェレットと同じように吹き飛ばされる。違うとすれば、気を失っていない ことか。
それがいけなかった。
気を失っていれば、目の前に迫る「何か」の恐怖から解放されたのに。
顔を挙げたなのはが次に見たのは、「何か」が隠し持っていた口と鋭い牙だ。
至近距離なのでじっくり中が観察出来た。中には動物の死骸がぐちゃぐちゃとあった。それで合点がいった。あの動物病院が壊されていた理由が。しかし、そんな考察意味が無い。もうすぐ、なのはも彼等の仲間入りをするのだから。
開かれた口はその牙を鮮血に濡らした。
“Master ! ”
そしてなのはを庇うように抱き抱えた高町恭也は地に崩れ落ちた。
「な、のは」
噛みちぎられる片腕。
「あ……」
厭な音を
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