ナツキ・エンドーと白い女神
メイ・アルデスト・アイリンとの接点
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私で答えられるものならなんなりと」
彼女は礼儀正しく一礼してから俺が指した椅子に腰かけて言った。最近の学生にしては珍しく礼儀というものがなっている。
この間呼んだ子なんて勝手にその辺の椅子に座るし。アメリカは日本と比べてその辺は寛容だが、それだけにこういう細かい礼儀は他人との差が付くという事が分からんのかね。
と、ガラにもなくオッサン臭い事を考えながらも本題に入る。
「論文の原案中で、遠藤菜月について書いているね?」
「えぇ」
俺は獲物がかかった感じがして嬉しくなった……なってしまった。
「彼女とはいつ会ったんだ? あと、どういう関係なんだ? あ、あと居場所も知っていたら教えて欲しい」
「え……っとぉ……」
つい嬉しすぎて思いっきり経緯を飛ばして不可解な質問をしてしまった。
おかげでアイリンは怪訝そうな眼差しをこちらに向けている。
しまった!! いきなりする質問にしては怪し過ぎるだろ俺!!
ち、違うんだ!!
と、今までの経緯を全て話して弁解した。もちろん白井菜月のことについても、少し悩んだが話す事にした。すると、真実は呆気ないモノ。
実に簡単な答えが返ってきた。
「白井菜月さんと遠藤菜月さんは同一人物ですよ」
アイリンは発音しにくいはずの日本人の名前を綺麗に発音してそう言った。日本人が英語の発音を苦手とするように、英語圏の人も日本人の発音なんて分からないのが通例なのだ。
「えっ、同一人物?」
「遠藤菜月は彼女のペンネームですから。皆さん本の表紙の名前が実名っぽいから遠藤菜月だと思われがちですが、彼女の本名は白井菜月ですよ」
……とのこと。
これで謎が一つ解け、別な謎が深まった。白井と遠藤、二人の菜月が同一人物なら、彼女はまさに生きた化石並に生きている事になる。
では、白井菜月は一体何歳なのだろうか。しかし、その白井菜月に関する疑問の答えへの鍵は案外この子が握っている気がする。と、言う訳でちょっと質問に付き合ってもらおう。
俺はコーヒーをカップに注ぎながら質問を続けた。
「何故そんなに白井菜月の事について詳しいんだい?」
「あぁ、私の母が白井菜月さんと友人なんですよ。今は母の実家に居ると思いますよ」
わぁお……なんと驚愕の事実と共に居場所まで分かっちゃったよ。
「……マヂかっ!?」
俺は驚きの声を出し、彼女にはコーヒーカップを差し出しながら言った。
「ありがとうございます。マヂですね」
彼女はちゃんと礼を述べてからおどけて答え、更に嬉しいお話をする。
「実家を教えて差し上げる事は出来ませんが、お話を通すくらいなら可能ですよ」
キターーーー!と、内心は飛び跳ねたが、ここは紳
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