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外伝 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
エジンベア編
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仲良くできるか。
そもそも、この城でもという表現はおかしい」
俺は反論する。


そもそも、俺はこの世界でもモテたわけでもない。
俺が、パーティの女性と仲良くしているから、いろいろ陰口を言われているだけだ。
俺たちは、ただ幼馴染が集まったパーティであるだけだ。
特に、誰かと恋仲になっているわけでもない。
現実なんてそんなものだ。

前の世界でも、そうだった。

前の世界でも、近所に幼馴染がひとりいた。
俺にとって初恋の相手であったが、想いを伝えることはなかった。
小学校から、高校まで一緒の学校だったが、あまり話をすることもなかったし、高校を卒業後すぐに市役所に勤めた俺と、東京の大学に進学した幼馴染とでは、接点もなかった。
そして、幼馴染は大学卒業後、地元の民間企業に勤めて、数年後に結婚したことを親から知った。

同窓会で久しぶりに再会した幼馴染に、
「結婚したのだってね、おめでとう」と、話しかけた。
幼馴染は、俺の顔をじっと眺めて、
「あんたにだけは言われたくなかった」とつぶやくと、急にわんわん泣き出した。
おかげで、幼馴染の友人たちから睨まれて、そそくさ退散したという、嫌な思い出まである。


だいいち、周囲が俺たちのことを、「ハーレムパーティ」といちいち指摘すること自体が間違っている。
4人パーティの男女比が1対3あるいは3対1となる可能性は、冒険者の男女比が1対1であるのなら、2分の1だ(男だけ女だけなら、それぞれ16分の1、男女2人づつは8分の3だ)。
男女比が偏ることは、確率的には、そんなに珍しいことでもないはずだ。


「いいのか?」
俺は、勇者に確認を求める。
このパーティのリーダーは、勇者だ。
勇者は、賛意を示した。

「とにかくエジンベアに行こう。
真実は、そこで明らかになるはずだ!」
俺は、嫌な思い出が脳裏に浮かんだことで、テンションがおかしくなったのか、やけくそ気味に叫んだ。
テルルは、「はい、はい」と俺をなだめるように言って、セレンは「さすが、アーベル」といつものように目を輝かせていた。
勇者は、そんな俺たちを眺めて楽しそうにしていた。



俺の回想が終わると、テルルが話しかけてきた。
「・・・、アーベル。
こうなることを、最初から知っていたの?」
「こうなることというのが、何を指すのかがわからないが?」
俺は、テルルの質問に、きちんと具体的に説明することを求める。
具体的に説明しないことで生じる誤解は、できるだけ避けたい。

「田舎者といわれることよ!」
テルルは叫んだ。
俺は、セレンと勇者の顔を眺めると、同意見だとばかりにうなずく。
「ええと、質問があるのだが」
俺は、右手を上げる。

「田舎者と言われることの、どこが
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