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外伝 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
ムッツリさんの最後の戦い 帰還編
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いから」
深垣さんは、胸を張って、右手の親指を手前に突き立てて宣言しました。
「そうですね・・・。
深垣先輩なら・・・、そうですね・・・」
斑鳩さんは、悲しそうな表情をしています。
私は深垣さんの過去を知りたかったですが、斑鳩さんは黙ったままでした。
「茂市よ、お前がもてるなんて、あり得ないから」
深垣さんは、口ではひどいことをいっていますが、斑鳩さんを慰めようとしています。
「ひどいですよ先輩」
斑鳩さんは顔をあげると、落ち着いた表情を深垣さんに見せました。
「まあ、なんだ。
お前のもらい手が無いようだったら、私がもらっても・・・」
「すいません先輩。
年上には興味ありません」
斑鳩さんは、非常に申し訳無い表情でしたが、即答しました。
「茂市、お前という奴は、本当にお前という奴は!」
深垣さんは、両肩を、いえ、全身を震わせています。
「私よりも、こんなガキのハニートラップのほうがいいのか!」
深垣さんは、今にも襲いかかりそうな表情で、斑鳩さんを睨んでいます。
「ハニートラップ?
ありえない!
私たちはお互いに頬についた蜂蜜を指ですくって、なめあうだけで・・・」
斑鳩さんは、急に何かを思い出して頭をかきます。
「すまない。
確かにハニートラップだな。
君の言うとおりだ・・・」
斑鳩さんを囲んでいた人たちは全員、なんとも言えない表情をしています。
ただ、これだけは、言えます。
「合っているけど、違うから!」
と、誰もが思っているということを。
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