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外伝 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
ムッツリさんの最後の戦い 帰還編
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しかけます。
「逃げなさい、アリスちゃん。
あとは、なんとかするから」
「でも、・・・」
私は、先ほどの戦闘を思い出してしまいました。
兵士さんたちが簡単に倒したモンスターにダメージを与えられないのに、目の前の敵になんとかすうことができるのでしょうか。
「大丈夫だよ、行きなさい」
そういって、ムッツリさんは、手にしていた鉄の槍を投擲しました。

私はゆっくりと後ずさりながら、槍の行方を確認しました。
槍は、兵士の先に飛んでいました。

「!」
兵士達が槍の行方を眺めた一瞬の隙を突いて、ムッツリさんは、兵士に飛びかかりました。
ムッツリさんは、武器を持たずに襲いかかりましたが、攻撃を受けた兵士はムッツリさんの一撃をうけ、膝をくずして、苦悶の表情を浮かべています。

ムッツリさんは、残りの兵士達が驚愕の表情を浮かべているうちに、次々と兵士を倒していきます。
「あと、3人!」
ムッツリさんが優勢に戦いを進めていましたが、急に体の動きがとまりました。
「ラリホーか・・・」
「ムッツリさん!」
倒れてゆくムッツリさんに叫びましたが、足は震えてうごきません。
兵士は、ゆっくりとこちらに向かってきます。
私は自分の最後を覚悟しました。


「あら、争いが始まっているけどなぜかしら?
やっぱり、集合時間に遅れるといけないわね。
お嬢ちゃん。あの人達は?」
私の背後から、明るい声が聞こえてきます。
鞭を手にした妙齢の女性が、こちらに近づいてきます。

「敵です!」
私は大きな声で叫んでいました。
「あらそう?」
女性は、少し首をかしげながら、
「相手の話を聞かないとわからないけど、とりあえず攻撃を仕掛ける相手なら、一度倒さないといけないね」
女性は妖艶な笑みを浮かべると、鞭を持ちなおしました。



「お久しぶりね」
「・・・。そうですね、ソフィアさん」
ムッツリさんは、目が覚めると、助けてくれた女性に声をかけました。
ムッツリさんは、眠ってからの状況をソフィアさんから聞いていました。
ソフィアさんの鞭の一撃で、兵士達が倒れたこと。
倒れた兵士達は、体の内部から光のエフェクトが発生し、体がガラスの破片のように飛び散ってあとには何も残りませんでした。
ソフィアさんは、最近出現する妙な言葉を使う人々と、その消失方法が特異であることから、この世界に干渉している別の世界からの存在を推測していました。
ムッツリさんは、ソフィアの話を聞き終わってもしばらく黙ったままでした。


ソフィアさんは、ムッツリさんに、別の話を切り出しました。
「アーベルからは、死んだと聞いていたけど?」
「先ほど記憶が戻ったばかりで、よく覚えていませんが、こいつの隠された力のおかげで爆風をそらすことができて
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