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外伝 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
ムッツリさんの最後の戦い 帰還編
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ます。
「いいからだをして、やさしいひと」
ムッツリさんがクリスお姉ちゃんの好みに合うかよくわかりません。
「アリスはどうするの?
いいの、私が奪っても?」
「クリスお姉ちゃん・・・」
私は考えてしまいました。
私は、これまでつきあった相手はいません。
かっこいいとか、思ったひともいましたが、心が動かされたり「つきあってもいいな」と思える相手もいたりしませんでした。
ムッツリさんのことも、特に引かれているわけではありません。
やさしい笑顔や、鍛え上げられた筋肉はすばらしいですが、この町には同じようなひともいます。
ただ、クリスお姉ちゃんと楽しそうに会話している姿を見ると少しだけ胸が苦しくなります。
「嫉妬かなぁ」
けれども、その嫉妬の相手がクリスお姉ちゃんなのか、ムッツリさんに対してなのかわかりません。
それに、私はムッツリさんに対して、恋心ではなく、別の気持ちを持ったかもしれません。
物心ついたときから存在しない、父親に対する思いなのかもしれません。
お姉ちゃんたちがいたので、寂しくはありませんでしたが、父親の存在にあこがれるのは仕方がないことかもしれません。
私はため息をついて、午後からの作業を再開しました。
「今日も暑くなりそうね」
羽根付き帽子をかぶると作業を始めました。
「ようやく、涼しくなりましたね」
「そうですね」
私とムッツリさんは、あたりを見渡しながらゆっくりと歩いています。
ムッツリさんは私たちの事を心配してくれて、いろいろと話しかけてくれています。
私とクリスお姉ちゃんは、この町にたどり着いたときに、「記憶を失った」とウソを言っています。
この町や世界での習慣を知らずに誤ったことを行った場合の予防線として、斑鳩さんから教えて貰いました。
「ドラクエ3の世界なら、オルテガの例もある。
記憶喪失で通用するだろう」
ということでした。
ムッツリさんも、記憶喪失ということでしたので、親近感を覚えたのでしょうか、私たちに気軽に声を掛けてくれています。
私たちはウソを言っているので、少し心が痛みます。
私は、気付かれないようムッツリさんと話をしています。
今日は、町の外に出かけています。
最近、世界各地では、モンスター達に奪われた土地を奪還するために、動いています。
中心はロマリア王国ですが、このランシールの近くにあるアリアハン王国でも取り組まれていて、アリアハン王国の協力のもと、ランシールの東にある海岸にあったグラッドスという港町の復活を計画しています。
今回は、町の指導者と兵士さんそして、荷物の運搬等を手伝う為の住民が、動員されました。
私たちは、お金を入手するためと、モンスターとの戦闘を間近で観察することで得られる経験を積むため
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