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外伝 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
ムッツリさんの最後の戦い 帰還編
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ンプレックスを突く言葉を叫びながら、人差し指を斑鳩さんの前に突き出します。
「と、とりあえず、落ち着こう」
斑鳩さんは綾池さんをなだめます。
「私が求めているのは、蘇生呪文だよ」
「・・・。ひょっとして、母さんのためなの」
斑鳩さんは少し恥ずかしそうにうなずきます。
「ありがとう。お父さん」
綾池さんは、斑鳩さんに抱きつきました。
「お母さんが戻ったら、また3人で、ね?」
綾池さんは、いたずらっぽい表情を見せました。
私たちは、ランシールの町で暮らしています。
私たちは冒険者ではありませんので、外にでることができません。
噂では魔王バラモスが倒されたそうですが、町の周辺には今でもモンスターが徘徊しています。
私とクリスお姉ちゃんは、町の特産品であるきえさりそうの栽培を手伝いながらお金を貯め、ダーマにある神殿で僧侶に就職する事を考えています。
僧侶になれば、パーティに誘われやすくなります。
お姉ちゃん達の行方を調べることができるかもしれません。
「どうしたの、アリスちゃん?」
今朝ほど挨拶したおじさんから声をかけられました。
「なんでもありません」
「それなら、よかった。
暑いので気をつけてね」
ムッツリさんは、そう答えると隣の畑に向かっていきました。
ムッツリさんは、もともとこの町の人ではありません。
ムッツリさんは、町の入り口に倒れていたそうです。
全身がぼろぼろで、右手に金色のお面のようなものを握っていたそうです。
それでも、宿屋でゆっくり休むと、数日で元気になりました。
ただ、ムッツリさんは、これまでの記憶を喪失したそうです。
ムッツリさんは、かなりのお金を持っていたので、当面の生活には困らないようでしたが、身体を動かした方がいいといって、畑作業の手伝いを始めました。
ちなみに、ムッツリさんという名前は、ムッツリさんの看病を手伝ったクリスお姉ちゃんが、名付けました。
ムッツリさんが残した数少ない持ち物のなかに、一冊の本が入っていました。
「女僧侶にいたずらするホイミスライム。かなりマニアックね。
ムッツリすけべそうだから、ムッツリさんと呼ぶわ」
「俺は、そんな名前じゃない!」
「だったら、早く思い出すことね、ムッツリさん」
クリスお姉ちゃんは、自分よりかなり年上であろうムッツリさんの背中を、右手でバシバシたたきながら、にこやかにほほえみました。
お昼になったので、作業の手を休めて昼食をとります。
「いただきます」
「よく食べるわね、ムッツリさん」
ムッツリさんは、私とクリスお姉ちゃんが作ったお弁当(通常の約3倍)を美味しそうに食べています。
「・・・。食べられるときに、食べないとね。
それに、2人が作ってくれたお弁当は美味
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