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外伝 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
名探偵だよ?アーベル君
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あれは、嫌な事件だった。



「ねえ、何を探しているの?」
「笛だよ、笛」
「笛?」
「そうだ、精霊ルビスを開放するためには、妖精の笛と呼ばれるアイテムが必要だ。
一緒に探してくれ」
俺とテルルは、アレフガルドのマイラの村にいた。

精霊ルビスの助力を得るため、俺たちは精霊ルビスを助けるためのアイテム「ようせいの笛」を探していた。
ようせいの笛の所在についての情報は、事前にラダトームの城で聞き取っていたので問題はない。
「ねえ、アーベル。
どうして、ラダトームの城内ではあの老人しか会話しなかったの?
他の人にも聞いたら、もっと詳しい情報も入手できたかも知れないのに」
「・・・」
俺は、今、全神経を集中して笛の探索に取りかかっている。
テルルからの追及など、全く耳に入ることはなかった。


俺たちは、温泉の南にある繁みを探しているが、なかなか見つからない。
ひょっとして、地中に埋まっているのか。
俺は、視線をテルルに移す。
「レミラーマ」
テルルが、俺の意図を察して、探知呪文を唱える。
怪しいところが光り出す呪文である。
「あそこね」

テルルは、光っているところを、特技「あなほり」で調べると、地面から、木の箱が出てきた。
俺が、箱を取り出して土を取り除き、ふたを開ける。

「もう一つ箱がある」
「土が入らないためかな?」
箱の中に笛が入っているのなら、土が入らない工夫が必要だろう。
中の箱を開けると、布にくるまれた細長い棒状のものがあらわれた。

どうやら、当たりのようだ。
布を、はがすと笛が現れた。
これで、精霊ルビスの封印を解くことが出来る。


「その笛をどうするつもりだ?」
背後から、俺達を呼び止める声があった。
「そのふえ?」
この笛の名前は、ようせいの笛だったはずだが。
「この笛は、君のかい?」
俺は男の姿を眺めながら、質問した。

目の前で俺を睨み付けているその男は、低くうなるような声と、たくましい体躯、丸く大きな顔をしてまるでダースリカントを人間にしたような姿をしていた。

「残念ながら、僕の笛じゃない」
男は、俺ににらみをきかせながら、説明をはじめる。
「これは、あの子の笛だ」
男は、近くにいる少女に視線を移す。

俺が、男の向けた視線を眺めると、いつのまにか、周囲に人が集まっていた。
その中に男が示した少女がいた。

少女は、この世界では珍しいピンクのノースリーブを身につけ、髪の右側にリボンを付けていた。
顔は愛くるしい小動物のような感じで、まるで子猫のようだ。
猫耳があれば完璧だが、この世界にそんなアイテムは存在しない。
いや「うさみみバンド」なら存在しているので、世界中を旅すればひょっとしたら「ねこみみバンド」
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