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外伝 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
連れ込まれた部屋の中で編
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「そうだ、こうしよう」
少年は1人で納得すると、私の手を取って、町の中を走っていきました。
「こんにちは、おばさん」
「久しぶりね、坊や」
「僕はもう12歳だよ。
坊やはひどいよ、坊やは」
「私にとっては、坊やは坊やよ」
少年は、小さなお家に私を案内してくれました。
出迎えた女性は、どっしりとした体格で、簡単に私たちを包み込むことが出来そうです。
「その子はどうしたの」
「この子をしばらく、預かって欲しいの」
「おやまあ、かわいいお嬢さんね。
お名前は」
「ジンクです」
私は、偽名を名乗りました。
孤児院を出たときから、昔の名前は捨てました。
「坊やも、たまには良いことをするのね」
「えっへん」
「たまにはが、いつもになるといいのだけどね」
「えへへ」
「じゃあ、ジンクちゃん。
しばらくここで、ゆっくりしなさい」
「いいのですか」
私は驚きました。
出会ってすぐの少年が、見も知らない少女を助けるなんて、あり得ないことです。
そして大人が、子どもの話を詳しく聞かないまま認めることも、あり得ないことです。
「坊やの目に狂いはないわ。
自分の家だと思って、くつろいでね」
私の記憶は、ここからしばらく欠落しています。
嬉しくて、何も考えることが出来なかったのでしょう。
3 守るべき時が来たことを理解した。
私は、少年とおばさんの好意に甘えて、おばさんの家で生活することになりました。
少年は、数日ごとに私に会いに来てくれました。
「いいね、その格好は」
少年は、私が質素なドレスを身につけているのを、穴が空くくらい眺めていた。
「恥ずかしいです」
「でも、他の男には取られたくないな」
「そんな事はないですよ」
「それよりも、ジンクちゃん。
養成所はどうするの」
「ええ、ダーマに行くことを決めました」
「そうかい。
大変だね」
「がんばります」
「がんばり過ぎて無理をしないようにね」
私は、自分の将来を決めていました。
少年が喜ぶような職業になることを決めました。
「最初にあそびにんで、次に僧侶で、その次に魔法使い、そして一度遊び人に戻ってからようやく賢者になると」
「これならば、最初があそびにんで、あそびにんから賢者に転職したばっかりなのに、何故かイオナズンが使えるようになります」
「面白い、最高だよジンクは」
「確かに、転職後のことを考えたら、ロマリアで勉強するよりはダーマで勉強した方がいいよね」
「正直、さみしいです」
「心配するな、何年でも待ってやる」
出発の前日、私は少年と闘技場に行きました。
私たちが知り合った、きっかけの場所です。
私たちは、あれから何度か足を運びましたが、あのとき以
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