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外伝 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
連れ込まれた部屋の中で編
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恐らく四大貴族あたりのものと推測しました。
私は、少年の近くに忍び込みました。

「あやしいかげCの倍率が低いのは、防御力が高いのか、回復手段を持っている可能性が高いな。
1対1ならば勝算はあるとおもうが、集中攻撃を食らえば一気に倒れそうな感じだな。
おそらく倍率に差がない理由がこれなのだろう。

一方、あやしいかげBだが、Cとは別のモンスターに化けている可能性が高い。
わざわざ、あやしいかげを用意するのであれば同じモンスターであることは主催者の考えからしてあり得ない。
そして、攻撃呪文はベギラマかヒャダルコあたりか。
イオラが使えるのであれば、Cよりも倍率が下がるはずだ。

となると、今度はあやしいかげAについてはどうだろう。
特殊攻撃を身につけている可能性が高いが、怪しい影の攻撃モーションは、元のモンスターが行う攻撃のような変則的な動きをしないので、観客からの見栄えが悪くなる。
とすれば、あやしいかげAも攻撃呪文を使用する可能性があるな。
とはいえ、AとBとに倍率差ほどの実力差があるとは思えないな。

ならば、そこのお嬢さん」

私は、少年が振り向いた瞬間に逃げ出そうとしました。
しかし、少年は私の右腕をつかんでしまって、私を離すことが出来ませんでした。
「お嬢さん」
少年は、優しい表情で私に尋ねました。
「お嬢さんは、どちらが勝つと思いますか」
「わかりません」
私は正直に答えました。
私は、まだ犯行に及んでいません。
強引に抜け出すと不審に思われますので、素知らぬ顔で返事をしました。
一方で、私が女で有ることを見抜いたことに驚愕しました。
髪も短くし、服装もかなり汚れているため女で有ることは、これまで知られることはありませんでした。

少年はため息をつきました。
「そうだね。
決断は、僕がしなければいけないよね。
これまでもそうだった。
これからも、そうなるのだろう」
少年は自分を戒めるように独り言をつぶやくと、受付に言ってあやしいかげAにお金をかけました。
賭けたお金は1万ゴールドでした。

「さあ、お嬢さん。
一緒にみようか」
少年は私の腕をとると、一緒に試合を見ました。


「ありがとう、お嬢さん。
おかげで、楽しく遊ぶことができたよ」
少年は、はにかみながら私にお金を手渡しました。
5万ゴールドでした。
「こんなに」
「いいのだよお嬢さん、今日は産まれて初めて当たったのだ。
きっと、お嬢さんは僕の女神なのだよ」
少年は顔を赤くして答えました。
「とはいえ、こんな大金を持っていることを知られたらまずいよね」
私は頷きました。
私には住むところも、泊まる宿も有りませんでした。
このままでは、私はお金を奪われるほうに回ってしまいます。


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