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外伝 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
連れ込まれた部屋の中で編
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の祝宴の席で、主賓が生命の危機など感じることなどありえないのだが、アーベルの身体は、自分の考えを否定していた。
アーベルは、目の前の部屋へと、引きずられていた。
アーベルを引きずっているのは、祝宴に参加した貴族の娘たちだ。
娘たちは、きらびやかなドレスを身に纏い、片手でスカートの裾を持ちながら、もう片方の手で、アーベルの手や腕をつかんでいた。
普段であれば、彼女たちはこのような不作法を行うことはなかった。
彼女たちがこのような行動を起こした原因はアーベルの行動にあった。
アーベルは、半年ほど前に突然ロマリア王に就任した。
貴族たちは、アーベルがアリアハンから着た、冒険者であること、アーベルが若すぎることから、前の王様が自分の傀儡のために無理やりに就任させたのではないのかと思われていた。
実際、アーベルにとっては事実なのだが。
貴族たちが、アーベルに対する考えを変えたのが、就任後一ヶ月後に行われた4大貴族との会議が行われた後だった。
アーベルは、この国が設立されたときから続いている貴族制度を廃止しようと提案した。
実際には、貴族の特権の段階的な廃止であるが、貴族たちは敏感にアーベルの考えを見抜いていた。
そして、貴族たちが驚愕したのは、傀儡とばかり考えられていたアーベルが4大貴族たちを説得して、アーベルの考えを受け入れたことである。
アーベルが、どのようにして四大貴族を説得したのかは伝わっていない。
それでも、四大貴族が全員納得し反対行動を起こしていないことから、ほかの貴族たちはアーベルを恐れ、何とか退位をさせようと画策していた。
貴族たちの行動が、実を結ぶことなく、ウエイイ解放計画が実施され、アーベルの手によって計画が成功した。
魔王の撃退というわかりやすい成果を入手して。
アーベルは、この実績をもって国民に受け入れられた。
凱旋式という、わかりやすい支持を得られる機会を使う前からである。
貴族たちは、今後の行動をどうするか相談した。
わかりきったことだが、結論はでなかった。
結論が出なかったことで、貴族たちはそれぞれ独自の行動をとるようになった。
それが、今夜の行動となった。
6人の貴族の娘は、それぞれの両親が、あるいは本人の意思によって行動した。
自分たちが王妃になれば、少なくとも自分の家の地位が安泰になると考えていたようだ。
アーベルは、最初は抵抗したのだが、あきらめたのか、じたばた動くのをやめ、目の前の部屋に連れ込まれた。
目の前には、ジンクと前のロマリア王の息子が話をしていた。
「あら、みなさんお揃いで」
「ジンク様」
アーベルを部屋に連れ込んだ女性たちは、女性に対してお辞儀をする。
「やめてくれないか。今日は無礼講だろう」
女性は、アーベ
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