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外伝 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
ロマリア王立冒険者養成所卒業式での演説
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までのように、モンスターを倒すことで生活の糧を得ることが不可能になるかも知れない。
だからといって、魔王を倒すことを止めることは出来ない。
今の状況が続けば、人類が滅亡する。
そうなれば、冒険者であることは不可能だ。
考えが浅い者は、勇者の存在を疎んで、殺害するかもしれない。
私はロマリア王として、そのような存在を許さない。
絶対に許さない。
代わりと言うわけではないが、平和になれば、王として諸君らに新たな仕事を斡旋したい。
道路や都市整備の労働者や、治安維持のための兵士として。
新しい時代になれば、その時代にあった労働者が必要とされる。
今、冒険者が求められるように」
卒業生達は、緊張に包まれていた。
ある意味、冒険者の将来を否定する内容だったから。
「幸い、これまで冒険者育成にかかる予算や都市の防衛にかかる予算を、新しい時代に必要な教育予算に移し替えることが可能である。
それでも、諸君は心配しているだろう。
自分は、新しい時代について行くことが出来るだろうかと。
私は、確信している。
諸君の力があれば、問題ないことを。
なぜならば、諸君は冒険者という人生を選択したのだから。
冒険者には、常に二つのことが求められる。
「探し続けろ。考え続けろ」
先ほどロングス財政担当官が話した言葉だ。
その言葉を実践する限り、諸君の前には新しい未来が開かれることを確信している。
だからこそ、ロマリア国王として最初に、養成所を卒業し世界に旅立つ諸君に、私が考える将来を語ったのだ。
そして、諸君に期待している。
諸君の経験が新しい時代に生かされることを。
冒険者として得られた経験が、新しい未来につながる点であることは確信している。
だから、世界に平和が訪れるそのときまで、諸君は誇りを持って冒険者として生きて欲しい。
当然、冒険者ではない、ロマリア国民にも期待している。
平和になるまでは、引き続き忍耐を求められるかも知れない。
平和が訪れても、日々の生活はすぐに改善されないかもしれない。
それでも、国民が力をあわせれば、立派な将来を描くことができることを確信している。
皆には、国王に力を貸して欲しい。
魔王やモンスターに怯えることなく、楽しく笑いあえる、かけがいのない未来のために。
最後に、この話をすることができる機会を与えてくれた、ロングス財政担当官に感謝する。
ご静聴ありがとう」
聴衆は静まりかえっていた。
ロマリア国王アーベルが話す内容はあまりに衝撃的だった。
冒険者の多くは、世界が平和になったあとのことを考えていなかったからだ。
やがて、卒業生の1人が立ち上がり拍手を始めた。
他の卒業生達も立ち上がった。
すべての聴衆がそれぞれの想いをこめて
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