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外伝 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
ロマリア王立冒険者養成所卒業式での演説
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ーベルはウエイイ開放作戦を発表したばかりだ。
四大貴族を味方にしたとはいえ、貴族のほとんどはアーベルを敵視している。
下手な演説で、批判を増大させる訳にはいかない。
「まあ、誰も元ネタは知らないだろうから、問題ないだろうし」
「それならいいのですが」
会場の奥で、1人の男が2人の話を聞いていた。
男は、アーベルが開発した汎用性呪文「おもいだす」を使用して演説の内容を確認すると、会場を後にした。
翌日。
アーベルの目の前でロングス財政担当官が、演説をしていた。
かつて、ロングスは冒険者として活動していたが、財務大臣ガイウスに能力を見込まれ、家の経理を任されていたが、国の行政に携わるようになり、3年前からガイウスの元で、ロマリア王国財政の実務を取り仕切っていた。
ちなみにロングスの前職は、冒険者養成所長であった。
ロマリア王に今日の演説を要請したのも、ロングスである。
「かつて冒険者だったころの経験をお話してもらえたら、卒業生達は喜びます」
と言って。
ロングスは、大きく太った体を揺らし、右目につけている片眼鏡を原稿に向けながら話し始めた。
ロングスの目の前には、椅子に座っている冒険者養成所の卒業生たち、その関係者たち、新しく就任した王の演説を聴きにきた民衆たちで、例年にない人数が会場に集まっていた。
王の演説はロングスの次であるが、ロングスの演説をしっかり聴いていた。
「私は紹介を受けたロングスだ。
諸君が栄誉あるこの冒険者養成所を卒業する場所で久しぶりに演説することができて嬉しく思う。
前回参加したときは、所長という立場のため、長々と小言を言ったものだが、今日は今の所長が既に話してくれた」
ロングスは、視線を今の所長に向ける。
周囲から笑いが漏れる。
所長も苦笑していた。
「今日は私から、短い冒険の旅の中から3つの話をしたい。
たいしたことではない。
次に話をされる、アーベル国王が開発された汎用型呪文「おもいだす」を使用すればすぐに思い出せるものだ」
ロングスは、視線を後方に座るアーベルに一瞬だけ移動させてから、原稿内容を読み上げる。
アーベルはロングスから受けた視線に違和感を覚えた。
まるで、自分を嘲笑するように感じ取ったのだ。
「最初の話は・・・」
アーベルはロングスの演説を聴いている内に表情が驚愕から、困惑に変わっていく。
ロングスの話している内容が、アーベルが前日に練習で話していた内容と一緒であったからだ。
当然、アーベルの経験に基づく部分は、ロングスの経験に基づく内容に修正されている。
アーベルは、昨日アーベルの演説を聴いていたのは、ジンクだけだったと思っていた。
ジンクは、王宮で別の仕事をしているため、ジンクに事情を確認することも出来ない。
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