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外伝 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
ウエイイ開放作戦での演説
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は、元をただせば一つの原因から始まっている。
モンスターの侵略である。
モンスターを殲滅することで、問題を解決する糸口であることを私は知っている。
そして、諸君の能力で実現可能だという事も知っている。

諸君。
ロマリアはかつて、広大で美しい国だったことを私は知っている。
一面の小麦畑、子どもでも小魚や貝を取ることができる小川、家畜を放し放題にできた草原。
ゆたかではなかったかもしれないが、国民全ては楽しく日々を過ごしていたと、ロマリアで産まれた私の母が、祖父から子守歌代わりに聞かされたことを知っている。
その美しいロマリアから、土地を、財産を、生命を奪うモンスターがいる。
モンスターは魔王バラモスによって、統率された動きを見せて、次々と都市を攻略していった。
今の我々には、もはやこのロマリアしか残されていない。

我々には、もはや絶望しか残されていないのか。
我々は、目の前の現実から目をそらし、城の中での闘争を繰り広げるしかないのか。
絶対に違う。
我々が成すべき事は、悲嘆に暮れることでも、隣人を貶めることでもなく、他人の財産を奪うことでもない。
我々が成すべき事は、失われた先祖の土地を、美しかった国土を、子ども達が無邪気に遊ぶことが出来る広場をモンスターから取り戻すことである。

我々は、これから城外に出て作戦行動を開始する。
まもなく大量のモンスターがこの城を襲撃するはずである。
諸君がこれまでに味わったことのない、大規模な戦闘になるだろう。
だが、私は心配していない。
諸君は、遠くノアニールの先にある洞窟で、厳しい訓練を耐えてきた精鋭なのだから。
具体的な作戦を組み立てたのは、デキウス総統が信頼してる部下達だからだ。
私は諸君に英雄的な行動を求めない。
日常の訓練を思い出し、そのまま行動に移せば、必ずや勝利を勝ち取ることが出来るはずだから。

諸君。
私は、諸君を信頼している。
君たちの中には、近衛兵総統デキウスと共にウエイイ開放を望んだ者も多いという。
ウエイイ開放は、モンスターから襲撃を受けた都市を開放する史上初の作戦となるだろう。
そして、私は作戦の成功を疑ってはいない。
だが、ウエイイ開放が成功しても、ここロマリアが滅ぼされたら意味がない。
ここ、ロマリアの防衛が成功して初めて、本当の意味での勝利となる。
この戦いの成功は、諸君の力量にかかっているのだ。

諸君。
私は、諸君を信頼している。
防御作戦は、攻略作戦よりも忍耐が必要となる。
真の英雄は、耐えるときに耐えることを知っている。
37年前のロマリア防衛戦は、我々ロマリアの民が、耐えること、そして英雄であることを世界に示す戦いであった。

諸君がこれから示す戦いも、前回の防衛戦と同じ、いやそれ以上の価値
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