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外伝 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
アリアハンでの事件 後編
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「そうか、残念だ」
ライトは、少しも残念そうな表情をみせずにつぶやいた。

「?」
テルルの問いただすような表情に気付いたライトは、テルルに視線を移しながら答える。
「お嬢さんがいれば、なんとかなると思ったのだがね」
「?」
「自白を期待していたのさ。
親しい女性が相手なら、動機を話すかもしれないとね」

「期待にこたえられず、申し訳ない」
「謝ることでもないさ。
まあ、上手くいったらもうけもの程度しか、期待していなかったし」
テルルは何か言おうとしたが、何を言えばいいのかわからなかった。

「とはいえ、ご存じだとは思いますが、一つだけ説明します。
あれは、リニアではありません」
「なんですって?」
テルルは驚きの声をあげ、そばにいる女性を眺める。
先日教会であった、リニアとそっくりだった。
「でも!
あ、あれ?」
「どうした、お嬢さん?」
ライトはテルルの表情の変化を読み取り、質問した。
「リニアとは、ゲールに依頼を受けてから会いました。
それに、右手が・・・」
そばにいる女性には、右手があった。
その女性の右手は、以前ゲールが隠していた右手と、同じだった。
「どういうことだ、ホープ?」
ホープは微笑したまま答えない。

「それでは皆さん、お別れです」
「おい!」
「ザキ」
ホープは、ライトの静止を振り切り、自分自身に死の呪文ザキを唱えた。
呪文は成功し、ホープは息を引き取った。


「さて、教会で復活させるか」
めんどうくさそうにライトはつぶやく。
「待って!」
テルルは、ホープの身体が光に包み込まれるのを確認した。

ホープの死体は、中に浮き、まばゆい光に包まれながら消滅していった。
「天に召されたのか・・・」
ライトはつぶやく。


やがて、ギルドの幹部が派遣した冒険者達が部屋に侵入した。
テルルは慌てて、横たわる女性を布で包み込んだ。
とりあえず、事件は解決した。
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