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外伝 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
アリアハンでの事件 前編
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の時代に、庶民を楽しませるような娯楽がほとんどないからだ。
へたに、裏の社会で行われるよりは表の世界で行われた方が、監視しやすいし国の利益につながる。
ロマリアでは、そのような考えで運営していた。
どこかのバカ王子が、大勝ちして一悶着あったらしいが、それを除けばきわめて順調であった。
「セレンさん。
闘技場のモンスターはどのようにして集められているかご存じですか?」
「知らないけど、ひょっとして、ゲールの依頼内容の技術が使用されているとか?」
「ええ、テルルさんの御想像のとおりです。
さすが才色兼備といわれるだけのことはありますね」
「そんなことはないわよ。
そこまで、話をしてもらったら、話の流れから誰だってわかるわよ」
「そうとは、限らないと思いますよ。
まあ、ここまでは私も問題ありません」
ホープは、緩めていた表情を最初の頃のようにもどすと説明を続ける。
「それでは、テルルさん。
モンスターは、棺桶によってロマリアに運ばれます。
では、死んだモンスターをどうやって闘技場で戦わせると思いますか?」
「まさか、ザオリクで?
でも、アーベルから聞いた話では、モンスターは復活できないと」
ホープは悲しそうな表情で首を振る。
「実は、すぐに唱えれば復活させることが出来ます。
もちろん、損傷の状況にもよりますが。
ですが、その情報は秘匿されています。
その理由も、テルルさんならわかりますよね?」
「想像はつきます」
テルルはそれだけしか言わなかった。
神聖な呪文でモンスターが復活するという情報は、教会にとって秘匿したい内容であることとは想像できた。
「ええ、御想像のとおりです。
そして、私が何を悩んでいるかわかりますか?」
「・・・」
テルルはホープが悩んでいる内容も想像することができた。
しかし、その内容は信仰の問題に触れることになるため、テルルは黙ったままだった。
「お優しいのですね、テルルさんは」
「そ、そんなことはありません」
テルルは否定する。
「いいのですよ、どうして神はモンスターの復活をお許しになるのかなんて、私の目の前で話すこともできないでしょうから。
どうして、モンスターに襲われた村人を生き返らせることが出来ないのでしょうか。
金の無い貧しい者を救うことが出来ないのでしょうか。
失った田畑は元に戻らないのでしょうか。
どうして、勇者でなければ、世界を救うことが出来ないのでしょうか・・・」
「・・・」
2人はしばらく沈黙した。
ホープは落ち着きを取り戻すと、再び話を続ける。
「まあ、これは自分の信仰の問題です。
申し訳ございません。
今日は、変な話におつきあいいただきありがとうございます。
本日のご依頼内容については、教会からよりも冒険者ギ
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