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外伝 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
アリアハンでの事件 前編
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スライムを考えているよ」
ゲールはしばらく悩んでから答える。
「確かに、あれは貴重なモンスターといえますね。
了解しました。
現時点で断言はできかねますが、商品開発費の減免についてはご検討させていただきます」
「ああ、頼んだよ」
ゲールはそう話すと立ち上がって、一礼する。
「では、また5日後に」
「ありがとうございました」
テルルは、ゲールが店を出たのを見届けてから、考え始めた。
「さて、教会に寄りますか。
後は、お願いね」
「かしこまりました、お嬢様」
店員がテルルを見送った。
テルルは、教会に入ると知り合いの神官に声をかける。
「ホープさんこんにちは」
「こんにちは、テルルさん。
今日もおきれいですね」
「あらいやだ。
お世辞をいっても何もでませんよ」
「教会ではお世辞をいうつもりはありません」
返事をした神官は、にこやかにテルルの相手をしてくれた。
ホープはがっちりした体格に似合わず、細い顔つきをしていた。
ホープは、かつて世界中を旅し僧侶としての経験を積んでいたそうだ。
ホープは、教会の力を用いずに、死者を蘇生することが可能な人間だ。
アリアハンでも数えるほどしか存在しない。
冒険者としてもたまに活動し、「モンスターを食す」の改訂版を出すたびに、冒険者たちの支援活動を行っていた。
ただし、聖職者の階級からすれば、下の方に位置付いている。
教会の階級は、基本的に教会内でどれだけ活躍したかという基準で評価される。
ホープは20歳以上年下であるセレンと同じ役職にいた。
周囲は教会に対して、問題があるのではと考えていたが、ホープは階級を問題視していないため、今のところ教会への批判にはつながってはいない。
ホープを慕う信者は多くいた。
ホープは少し低めの声で落ち着いて話すことで、多くの人々の心をつかんでいた。
ホープは世界を旅した経験を素直にわかりやすく話して、ルイーダの酒場で毎日飲んだくれている冒険者のように、過去を自慢することも無かった。
さすがに、最近の人気はセレンという若い女性の僧侶に奪われていたが、彼女が自宅で修行するようになってから、ホープの人気は再燃している。
そのようなことを考えながら、ホープはゲールからの依頼内容について相談していた。
「モンスターの捕獲用ですか・・・」
ホープはテルルの話を聞き終わると、少し表情が暗くなった。
「何か、問題がありますか?」
「いえ、ご依頼のアイテムの作成自体には、問題はないですが」
ホープは、ロマリアで冒険したときの話を始めた。
「テルルさん。
闘技場はご存じですね」
「ええ、知っているわよ。
賭けたことは無いけど」
テルルは答える。
闘技場を否定するつもりはない。
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