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形而下の神々
ナツキ・エンドーと白い女神
ナツキ・シライと写真
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んだのが彼だという確証は無いのだが。

「さ、こちらへ……」

 大きな両開きのドアの奥には小さく上品なテーブルに座り心地の良さそうなソファ。応接室とかいうヤツだろう。


「後でお茶を持って来させますので、ごゆっくり……」

 そう言ってハンサムは部屋を出ていった。



 しばらくすると例の老婆が部屋に入ってきた。簡単な挨拶を済ませると、早速老婆の方から口を開く。

「あんたらかね……ナツキの話を聞きたいってのは」

「えぇ、TVの取材で少しお話が聞ければと……」

「ふっ、そうかい私も孫から話しは聞いているよ……ナツキはそれは美しい東洋人だった――」


 この老婆と白井菜月の出会いは大学の頃だったらしい。聡明で美しい東洋人が大学に来たと聞き、彼女は白井菜月に接触したそうだ。
 快活な性格であった二人はすぐに意気投合し、大学卒業までの数年間、二人は親友だったという。

「大学を出てから私はこの田舎に戻り、この家の当主として家を守ってきたのさ……その時以来、ナツキとは会ってないねぇ」
 「ほぉ、若い頃の彼女しか知らないと?」

 すると老婆は遠い目をして呟くように返す。

「まぁそうなるかね。私の家のホームパーティーには何度か呼んだけど、とうとうナツキの家には行かず仕舞いさ。昔っから聡明で、人の心を見透かした様な子だったねぇ……」

 まるで、何億もの人間を見てきたみたいだったよ。良い所も悪い所も、余さずね。
 と、そう老婆は付け加えた。

「どうにか連絡は取れませんかね?」

「さぁねぇ……昔は電話なんて誰でも持ってる物じゃなかったし、手紙を出そうにも住所も知らないからね」

「そうですか……ありがとうございました。最後に、彼女の手がかりになりそうな物とかはないですかね?」
 聞くと少し意地悪な笑みを浮かべて老婆は言った。

「あぁ、手がかりかどうかはわからないけど、こんな白い彫刻なら貰ったよ」

 そう言って、老婆は胸元から白い物を出す。
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