第三章
ようやく彼らはクッキーを作り始める。
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「遅い」
開口一番にそう言い放ち、雪ノ下は比企谷の手から野菜生活をひったくって、それにストローを刺して飲み始める。
ちなみに百円の...おっと、何でもないよ? 自分のヤグルドジョバンニ(八十円)をチラッと見た後にうらめしそうな目で雪ノ下の野菜生活(百円)を見てなんかないよ?
ほ、本当に見てないんだからっ! か、勘違いしないでよねっ!
...そして何事もなく比企谷からジュースを受け取ったということは、俺に頼んだってことは忘れてるってことね? そうなのね? 普通、「あら、桐ヶ峰くん。私の野菜生活は?」とか聞くよね? それがないってことは...ま、まさか俺が見えてないのか? ...めちゃくちゃ近くにいるのに...まさか、ねぇ...。
それにしても最初から忘れられてるって気づいていれば、あそこまで比企谷にしつこく頼み込まなくても良かったのに...。 ほんとムダ骨ポキポキ。...さっさと慰謝料払ってくれないか?
まあ、でも慰謝料を払わないなら体で払ってもらうことになるわけだね? やったー。これで俺も晴れて童貞卒業だー。世界が輝いて見えるゼー! そして俺はリア充になってクラスの一員となり、平塚先生の依頼、達成だね! 雪ノ下さん、ありがとう! 俺、奉仕部に入ってよかった! ...さあ由比ヶ浜さんも一緒に服を脱いで。そしたらコレ3pー以下の内容は卑猥な表現が含まれていたため規制が入りました。
――まぁ、結論を言うと、俺が一方的にナニしたって感じで社会的な死を宣告されるのは目に見えているんで...童貞卒業。略して童卒はまだ先になりそうだ。...自分で言っといてあれだが略した必要性がわからん。
ちなみに俺がくだらん妄想をしてる間に比企谷は由比ヶ浜さんにちっさい声で「...ありがと」と、なんとも可愛い感謝の言葉をかけられていた。...やだ何あのイケメン。早急に爆発しろ。...いやー、超うらやましい。思い切り妬んでやることにしよう、そうしよう。
...それより依頼の内容はなんだ? 早く教えてくれ。早くしないとうっかりポッケに入っているナイフであのイケメンをぶちのめしてしまいそうなので自分から雪ノ下に聞こう。...ってか俺ポッケにナイフ忍ばせてるのかよ! ...え? なにおれ怖い。
「すーはーすーはー、うん。由比ヶ浜さんとの話は終わったみたいだね」
俺は高ぶる衝動(殺意☆)を落ち着けるため深呼吸をしてから雪ノ下に聞いた。
「ええ、あなた達がいなかったおかげでスムーズに進んだわ。ありがとう」
落ち着け! ナイフに手を伸ばすなあぁっ、俺!... し、しずまれぇっ俺の右腕ぇぇぇっ!
こんのくそアマ。俺を部活という名の牢に閉じ込めておきながら「いないほうが、楽♪」だとっ! .....結論。 俺を帰らせろ。
比
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