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立ち上がりあたりを見渡す。少し離れたところでキリトも覚醒したらしくキリトの傍に行く。傍にはSAOの時の姿をしていたユイがいた。

「ユイ、キリト」

「お兄ちゃん」

「ここはどこかわかるか?」

「どうやら、ここは世界樹の中みたいだが、マップデータがユイでも引き出せないからどこなのか詳しく分からない」

「そうか」

 ゲツガは周囲を見渡しながらとにかく場所を知る手がかりを探すが何も見当たらない。と、その時、ユイが何か気付いたようにゲツガに言った。

「お兄ちゃん、少し前にお姉ちゃんに似たプレイヤーIDを感じると言いました。そのIDの主がこの少し奥に隔離されています」

「ユキがいるのか!?」

 ゲツガはユイの示す方向を見た。

「はい、確かに感じます。しかし、この先は沢山のロックがかかっているので、先に進むにはアクセスコードが必要です。お兄ちゃん、手を出してください」

 ゲツガはユイに言われるがままに手を伸ばす。ユイはゲツガの手を握り目を閉じた。するとユイの手からゲツガの中に何かが流れ込んでくる。ユイはゲツガの手を離して言った。

「お兄ちゃん、今、さっきのシステムアクセス・コードのデータをお兄ちゃんのプレイヤーIDにコピーしました。なのでロックした扉を触ると解除されて入ることができます」

「ありがとう、ユイ」

 ゲツガはユイの頭を撫でるとユイの示した方向を向いた。

「キリト、ユイ、ここからは別行動だが、必ず……必ず、アスナを助け出せよ」

「当たり前だ、お前こそユキを確実に助け出せよ」

「わかっています。お兄ちゃんも絶対お姉ちゃんを助け出してください」

 キリトとユイはそう言って拳を握り、伸ばしてくる。ゲツガは微笑んで自分も拳を握ってキリトとユイの拳に打ち付けた。キリトとユイと逆方向に走り始めた。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 ゲツガは走る。この奥にいるかもしれないユキのためにゲツガは足を止めず走り続ける。しかし、目の前はもう壁になっているがゲツガは走る。ユイはロックがかかってると言っていた。つまり、これも一種の扉でもある。ゲツガは壁にタックルを決める。

 壁はゲツガがタックルすると円形に破壊されたように割れて、新たな通路が出てくる。そこを走り続けると一つの案内板みたいなものがあった。

「何だこれは?」

 ゲツガは立ち止まり、案内板を見る。そこには驚くことが書かれていた。

《実験体格納室》

「実験体ッ!何でこんな部屋があるんだよ!?」

 ゲツガは実験体格納室を見て何を行われてるかはわからないが、今までばらばらだったワードが一つにつながる。レクトがSAO未帰還者の生命維持を行っている。しかし、未帰還者の精神はどこ
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