11部分:第二幕その二
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
から述べた。
「ロシアの方ですね」
「はい」
公爵は伯爵の言葉に頷く。
「遊びに参りまして」
「遊びにですか」
「ええ。何しろペテルブルグはあまりにも寒くて」
ここで苦笑いを浮かべてきた。
「お客様がおいで下さらないのです。寒さを嫌がって」
「お客様がですか」
「はい、私はですね」
「ええ」
公爵は話をはじめてきた。
「お客様を招くのが趣味なのです」
「お客様をですか」
「そうです、皆様には朝まで楽しんで頂きたい」
立ち上がったままだったのをいいことにそのまま辺りを見回す。そして客達に対して述べる。
「私はそれでいいのです。それを見たいのです」
「公爵御自身は」
「私は退屈でもお客様が喜んでくれるのなら」
「何と心の広い」
「ロシア人の心はあくまで広いのです」
これは確かに本当のことだ。ロシア人は気が長くて心が広いのが取り柄だた。悪いふうに出ればやる気のないことは徹底して手を抜くが。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ