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ファイアーエムブレム〜ユグドラル動乱時代に転生〜
第三十五話
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を言ってエーディンさんも随員に選んでもらった。
これは姉妹引き合わせのためだが彼女に信じてもらえるとは思えないのでクロード神父の教団上の地位を利用しての命令という形式を採ってもらった。

ひとまずの行き先であるアグストリア連合王国のマディノ砦に付随する港町では、俺と別れてからずっと対海賊の用心棒として腰を据えていたレイミアが、いまでは一つの傭兵団を率いるまでになっていると何度もやりとりした手紙で知っていた。
日程を調整している間に俺たちがマディノへ行くと手紙で知らせると、部下のジャコバンという男と数人の部下を護衛として送ってきた。
彼が持っていた証書はたしかに彼女の筆跡だったので歓迎し、出発までの数日はバーハラの宿に逗留してもらい、時間を作って向こうの情報を教えてもらったりもした。
そうしてクロード神父とその身の回りの世話をする者達、俺、シルヴィア、エーディンさん、ジャコバンさんと数人の部下が乗り組んだ船がマディノを目指して進んでいた。

「だらしないなぁ、ミュアハは」

「う、ううっ…」
船酔いに苦しむ俺にシルヴィアは付きっきりでいてくれた。
言葉とは裏腹にずっと手を握ってくれて、濡らしたタオルで顔を拭いてくれたり、バケツにたまった吐瀉物を海に捨てたりと、かいがいしく世話してくれた。
こうして俺が苦しんでいた間に海上警備を行う集団が船にやってきていたことも、その集団に護衛船を付けてもらった事も知らずにマディノに辿りついた。

上陸してすぐに体調が元通りになりシルヴィアにはからかわれて俺は一緒に笑った。

「でもねー、ミュアハの役に立てて嬉しかったかも!」

「じゃあ帰りの船でも頼むー」

「えー、どうしよかな、それに船は帰りだけじゃ無いかもよ?」

「そ、そういえばそうか…」
くすくす笑う彼女は俺の背をドンと叩いてから自らを指し示し、任せておいて! と、元気よく告げた。
ジャコバンの部下はレイミアへ知らせに行き、俺達一行は合流地点である港町の大き目の宿へと向かった。
水揚げされた魚を処理している漁師の嫁が、連れて来た猫に処理後の内蔵だの骨だの、時には1匹丸ごと与えたり、そのおこぼれを狙うカモメの群れやカラスが様子を窺うさまは現実でのそれとよく似たものだ。
シレジアから輸入されている氷をためた氷井戸から運び出される氷を運ぶ荷車などが脇を凄い勢いで通り過ぎて行く、すると冷気と共にすこしの生臭さを置き土産にしていくのは魚運びにも氷運びにも両用されているからだろう。
そういえばレンスターにも大きな港が欲しいな、漁村などはあるにせよ大型船を定期的に舟航できるような港があって損は無いはずだ。

町の様子を楽しみながら宿に辿りつく前にクロード神父はこの町の礼拝所を訪れ、俺達も同道した。
俺達程度の人数でも狭く
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