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魔法使いへ到る道
7.海の青は空の青なんでしょうか
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。あ、はなみず出てるよ。はいティッシュ」
 ありがとうすずか。そしてごめんねみんな。俺これからはちゃんと準備運動するよ。
 俺と同じように水着を下に着ているので、彼女たちも着ているシャツとスカートを脱ぐだけで準備は終わる。じっと見ているわけにもいかないので、俺は彼女たちの見えない位置で四つん這いになり、軽く掘った穴に胃袋の中身をそっくり出して気分をスッキリさせた。
 パラソルの下に置いてあったクーラーボックスから良く冷えたお茶を取り出しごくごくと飲む。生き返った気分だ。
「ケンジくん、日焼け止めつかう?」
 とてとてとなのはが寄ってくる。イチゴの柄のワンピース水着がよく似合っていた。日に焼けて後々苦しむのは嫌なのでありがたく使わせてもらう。全身に満遍なく……なく…………な、く……
「無理。背中に手が届かない。なのは、お願い」
「いいよー」
 日焼け止めを渡して背中を見せる。ぬりぬり、ぬりぬり。背中を撫でる手がこそばゆい。
「はい、できあがり」
「ん。あんがと」
 体の表皮がうっすらと白くなった三人と並んで身体を動かす。足は重点的にやらないと。水中で攣ったりしたら一大事だからね。マンガのようにジャストタイミングで助けは来ないんだよ。
 しかし水に入るに当たって適当な準備運動の程度が今一分からない。なんとなく学校の体育でやる動作を一通りすることになった。
 ひざの屈伸、浅い伸脚、深い伸脚、ふくらはぎを伸ばし、上体の前後屈、体側、身体を大きく回し、手首足首も回す。
 二人ペアになってやる運動もある。すずかと組むことになった。
 背中合わせになり腕を組み、お互いに身体を預けあう。
「んー。ケンジくんちょっとおもいー」
「まっ、失礼な子ね」
「ぐぐぐ、ケンジくんひっぱりすぎー」
「お前は全然重くないのな」
 特に悔しくは無いがなんとなく、すずかを背中に乗せたままその場でぐるぐると回ってみる。
「きゃっ、え、何!?ちょ、ちょっと!ケンジくんやめてー!」
 ううむ。頭のすぐ傍で発せられる柔らかい悲鳴で耳が幸せだ。こうしていつまでも回っていたいが、この行動は自分も傷つく諸刃の剣なのでそこそこでやめておく。
「うぅ、ぐるぐるするよー」
 足元がおぼつかないようでふらふらと千鳥足のすずか。俺も揺れる視界が平静を取り戻すまでじっとしていることにした。
「何いまの!おもしろそう!なのはにもやって!」
「アタシにも!」
 わーい。女の子に囲まれちゃったー。モテモテで困っちゃうなー。
 ……頑張れ俺の三半規管。


 事前にたっぷり出していたのもあって、出すまでには至らなかった。ちょっと五体倒地で休んだら回復した。二十秒くらい。
「きゃっ、つめたーい!」
「でもきもちいいわね!」
「なのはちゃん、それ!」
「にゃっ!
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