幻影急襲
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ら少しだけ出ている岩礁に背中をぶつけてしまう。
「あう!」
起き上がろうとしたところを何時の間に接近してきていたのか、相手の足で胸部を踏みつけられて阻止された。
そのままの状態で顔を上げると、
ジャキン、と私の顔に零距離でレーザーライフルの銃口が突きつけられる。表情の分からないバイザー越しに初めて相手が私に向かって言葉を紡ぐ。
「貴様に興味はない。ISを解除しろ」
「な、にを……」
「分からないのか。貴様のISを寄こせと言っている」
まさか……最初から……私が目的? そんなことのために旅客機を襲撃して一般の人にあんなに恐怖を与えておいて……ISだけが目的?
「ふ……ざけるな……」
「む」
私は両手で胸部を踏みつけている足を掴むとそのまま力任せに相手の足を上へと押しのける。
「そんなことのために……何の関係も無い人を!」
「ふん」
相手は心底どうでもいいというように足をどけると、今度は膝で私を踏みつけてきた。
衝撃にまた声が漏れそうになる。けど……負けない。こんな、こんな外道に……人を人ととも思わないような奴には負けない!
膝で地面に押し付けられたことで相手の顔が近くなる。この距離なら腕の『マルゴル』で、一瞬でも隙があれば……
ドス
「―――――へ?」
一瞬、何が起きたのか分からなかった。
右腕に衝撃、相手の左手には何かの柄。私の二の腕には……光る金属が生えて……
「――――――ああああああああああああああああああああああ!」
そんな思考が一瞬で中断された。私の右の二の腕にはISスーツを切り裂いて巨大なサバイバルナイフが突き立てられていた。
「殺すな、とは言われているが壊すなとは言われていない」
「が………あ…………ぎ…………!」
突き刺さったナイフを相手は傷口を抉るように回してくる。その度に私の口から言葉にならない悲鳴が漏れ、右腕が自分の血で赤色に染まっていく。
この傷だと死ぬことはまず無い。でも……
この人……ISの上から人を痛めつける術を心得てる……
常に新しい激痛が右腕から走る。毎回そのせいで思考が中断されて、その隙にまた傷口をグリグリと弄られる。
「次は左か」
「冗…談!」
女の子の肌を何度も傷つけられて、たまるもんか!
相手がそう言うために一度ナイフを弄るのをやめた瞬間に私は左手で左肩の『カイリー』を引き抜き、相手に叩きつけるように振るう。当然のように上空に避けた相手に向かって、私はそのまま『カイリー』を投擲した。それも当然相手は弾く。
「ぐ……」
右腕に突き刺さったナイフを左腕で……引き、抜く!
「ああ!」
新たな激痛と共にナイフ
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