幻影急襲
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手はレーザーライフルを両手で持つと押し込んできました。私は元々受けていた『エスぺランス』の後ろから右手の『ハディント』を重ねることでその勢いを受け止める。
互いの息が掛かるほどの距離、だけどバイザーで相手の顔は見えない。そして唯一見える口元には何の感情も浮かんでいない真一文字の口だけ。
「が……」
その表情に一瞬だけ気を取られた隙に相手の左ひざが私の腹部に突き刺さった。しかもこれ……肺から息が漏れ……!
わざと絶対防御が発動しないように手加減して……!
絶対防御は命に関わるような攻撃じゃないと発動しません。つまりその加減さえ分かっていれば相手の体に直接攻撃することも可能です。
今の膝蹴りも通常のISのブースターも含めたものならば骨が折れ、内臓が破裂する恐れがあるため絶対防御が発動しますが、人が人にする膝蹴りくらいなら死ぬ危険は滅多にないので絶対防御は発動しません。
続いて2回、3回と装甲のない腹部に相手の膝からの衝撃が響く。
「このっ!」
左膝の『アドレード』を稼動させてお返しとばかりにこちらも膝蹴りを放つ。でもその蹴りは空を切った。
え……
いつの間にか相手の身体は離れていて、レーザーライフルを構えている。
今、何が!
考える間もなく放たれたレーザーに左手の『エスペランス』を撃ち抜かれた。爆発する前にそれを投げ捨てて左手に『オーガスタス』を展開。
相手の攻撃はレーザーライフルのみ。ならこれで防ぎながら反撃です!
正面から再び飛来したレーザーの射撃を正面に『オーガスタス』を掲げることでしっかりと受け止め、盾越しに右手の『ハディント』で弾幕を張る。
次世代を見据えて特性にコーティングされた盾はしっかりと相手のレーザーを弾いてくれる。
よし、相手を見失いさえしなければこれでダメージは………
『雑魚が……』
「へ?」
一瞬、初めて相手の声が聞こえた。
初めて聞いた声には私に対する詰まらなさ、侮蔑、見下しとかそう言ったものでなく、まるで無関心。正面にいるはずの私なんてまるで眼中に無いような……冷たい声……
―敵機後方にエネルギーの集中を確認―
この予備動作は!
ISが知らせてくれた次の瞬間には盾に猛烈な重さが圧し掛かった。
この、予備動作……瞬時加速!
IS全体の重量と瞬時加速により勢いのついた踏み付けにより私の体勢が大きく崩されて、その後思いっきり下に蹴り落とされた。
このままだと追撃が……! 何としても立て直さないと!
落下しながら空中でバック転のように身体を捻り、足が下に向いたところでブースターを全開にして何とか耐え……
ガン!
それでも間に合わずに海か
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