幻影急襲
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客搭乗用のドア。CAさんは鉄製の扉を閉めると私の肩を掴んで目線を合わせて震える声で話をしてくれました。
「いいですか。扉のレバーを上に引けば扉が外に吸い出されます。左翼のエンジンは今のところ2基とも健在。右は完全に潰れてるけど2つあれば近場の空港までは持つと機長はおっしゃっています」
「はい」
「本当は娘と同じくらいの年の子にこんなことさせたくないのだけど……」
「娘さんがいるんですか?」
「ええ、今年で14になるの。いい? 無理しちゃだめよ。あなたが死んじゃ意味ないですからね?」
「大丈夫です。ありがとうございます」
「じゃあ、気を付けて」
CAさんはそう言うと扉を開けて再びファーストクラスに戻っていきました。
「よし!」
パンパン! と自分の両頬に手で気合を入れます。
そして扉についたレバーをゆっくりと引いて……引き上げて……上がった!
バン!
大きな音と共に扉が外に吸い出され、私の体も吸い込まれそうになる。
(行くよ、相棒)
一瞬だけ踏ん張った足の力を抜くと同時に『デザート・ストーム』を展開する。外に吸い出された瞬間に私の体をISの装甲が包み込み、PICの力で浮遊する。
目の前に浮かぶのは白い雲、青い空、眼下に広がるのは青一色の海。だけど背後には轟音を上げて旅客機が通過し、その左翼には今まさにもう一基のエンジンを撃とうとしているISを視認する!
「やめろぉ!」
叫ぶと同時に両手の『ハディント』と『エスペランス』を撃つ。もちろん旅客機に当てないように威嚇程度にずらしてだけど、相手は翼から離れてその場で静止した。
その横を旅客機が通過して行くのを確認しながら私はそのISと相対する。
「貴方は何者ですか! 一体なんでこんなことを!」
『…………』
青いISを纏った少女は無言のまま手に持ったレーザーライフルをこちらに向けてきました。話し合う余地は、無しですね!
―武装データ無し、敵レーザーライフルをW(ウェポン)1と仮称―
やっぱり機体と同じで武装もデータが無い。
しかも、早い! 放たれたレーザーを避けて両手に構えた『ハディント』と『エスペランス』の引き金を引く。
突撃銃と散弾銃から放たれた弾の雨を青のISは軽々と避けて再びレーザーライフルを放って来ました。
この人……強い!
私の避けた鼻先に次のレーザー、そして一瞬動きが止まった隙を突いて突撃が来る!
「ぐっ!」
私はレーザーライフルの先端につけられた銃剣を咄嗟に左手の『エスペランス』で盾代わりにして逸らす。激しい火花と金属の削れる音と共に銃剣の先端が私の頬を掠めた。
ほぼ零距離まで相手の顔が近づいてくる。そのまま相
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