第二十四話 返事、第二ラウンド
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がしながらも、決意を定めて巨人に問う。
「悲願とは、何?」
『機械ニヨル機械ノタメノ世界ヲ創造スルコトデアル。』
『後ハ貴様トサホド変ワラヌ。世界ヲ滅ボシ、悲願ヲ為ス。ソウ言ッタラ、彼ノ者ハ全力デ阻止シテキタ。』
誠也は、機械王に気付かれないように体に回復魔法を施しながら、その言葉に耳を傾ける。
『幾多ノ王達トノ戦イニヨリ疲弊シタ体デハ、彼ノ者ニハ敵ワナカッタ。彼ノ者ノ使ウ鎖ハ我ガ体ニ動クコトヲ許サズ、彼ノ者ノ使ウ盾ハ我ガ拳ヲ完全ニ防ギキッテイタ。我ハ為ス術モナク封印サレタノダ。』
機械王は誠也を一瞥し、さらに続ける。
『ダガ、数年程前ニソノ封印モ解カレ、我ハモウ一度悲願ヲ叶エル時ガ巡ッテキタ。我ヲ封印スルベク追ッテ来ル魔導師ドモヲ蹴散ラシ、ドウニカコノ地ニ辿リ着イタ。』
機械王はもう一度誠也を見て、その紅い瞳をギラリと輝かせた。
『モウヨカロウ?』
「えっ?」
突然機械王に尋ねられ戸惑いを隠せない誠也。
一体なにが良いと言うのか。
『貴様ノ時間稼ギニハ付キ合ッテヤッタ。モウ十分ダロウ?』
それを聞いた誠也はびくっと体を震わせる。
最初からばれていたのか?
誠也は機械王の言動からそう察する。
機械王からの受けたダメージが甚大だった誠也は、その傷を癒すために先ほどから治癒魔法をずっと使っていた。
勿論、誠也の使う治癒魔法でしかなく、治癒と言うよりは応急処置程度の魔法でしかないのだが、それでも気休めにはなると機械王の話の間中ずっと使っていた。
まさか、分かって話をしていたのか?
おそらくそれが答えなのだろう。
機械王は初めから誠也が治癒魔法を使っている事を気付いていて、それが完了するのを待っていたのだ。
『我ハ王ゾ。手負イノ獣一匹狩リ獲ッタトコロデナンノ自慢ニモナルマイ。』
その通りだった。
機械王は誠也の治療が完了するまで待つために、話をしたのだ。
わざわざ過去の話をしたのはただ興が乗ったからでしかないだろう。
自分の誇りのために相手に猶予を与える。
それを驕りや油断ととるかは人次第だろう。
だが、目の前の鋼の巨人にとってそれは己の誇りを誇示するためだったのだろう。
「まいったな………。」
正直なところ誠也は現状を考えると目の前の巨人に勝てる気がしなかった。
全力の魔力収束、全力の簡易防御、全力の砲撃、全力の治癒。
これらで魔力を使い過ぎていた。
勿論誠也の魔力が少ないわけではない。
恐らく常人の魔導師のレベルで言えば、誠也の全力の半分以下の魔力を使っただけで魔力切れになってしまうだろう。
誠也はそれほどまでに多量の魔力を有していた。
だが、それほど大きな魔力量を持っていても限界はある。
誠也の魔力残量は残り半分とちょっと。
特に誠也の適性に一致しない簡易防御と治癒魔法に、使用
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