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第二十四話 返事、第二ラウンド
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!!」
誠也はバリアジャケットのない状態のまま、巨人の拳が直撃していた。
そしてその拳の勢いが誠也を思い切り吹き飛ばす。
吹き飛ばされた誠也はそのまま広場を突き抜け、吹っ飛ばされたまま林の中に突っ込む。
大した受け身も取れず、木々とぶつかる衝撃をその身に受けながら、止まることなく吹き飛んでいく。
そして木々が十五本ほど折れた時、誠也は十六本目の木に激突し、そのまま落ちる。
まともな人間でなくとも一巻の終わりである。
『……死ンダカ。』
拳を振り切った体勢のまま、誠也が動くかどうか観察していたが、ピクリとも動かないため死亡の判断を下す巨人。
『所詮ハタダノ人ノ子カ。我ガ拳ニ耐エルコトハ不可能ダッタヨウダナ。』
機械王は誠也に背中を向けて叫ぶ。
『シカシ、我ニ刃向カオウトシタソノ勇気ハ評価シヨウ!大イナル勇気ヲ持ツ人ノ子ヨ!!死シテ御魂ト化シ、我ガ覇業ヲ見届ケヨ!!!』
その叫びは森の木々を揺らすほど強烈なものだった。
そして戦いは終わったとばかりにその場を立ち去ろうとした時、桜色の閃光が鋼の巨人の右腕の部分を通過した。
閃光が止んだ時、巨人の右腕はそこに存在せず、肩の機械部が大きく露出していた。
『ホウ……。』
消えた右腕を見て感心する機械王。
桜色の飛んできた方向に改めて振り向く。
「………勝手に………殺すなよ………!」
誠也が右手を前に突き出し、左手を肋骨のあたりに当てながら立っていた。
よろよろと歩き、巨人の前に再度立つ。
『意外ト頑丈ナノダナ。我ガ拳ヲ受ケテ未ダ生キテイルトハ。』
「ああ……。一歩間違えば死ぬところだったけどな。」
実は誠也が機械王の拳を受ける直前、回避が不能だと悟った誠也は咄嗟に身体強化の魔法と簡易障壁の二つの魔法を発動させていたのだ。
勿論簡易障壁は破られ、誠也に拳が直撃したのだが、目いっぱい魔力を込めた障壁のおかげで威力は大きく削がれ、身体強化によって頑丈になった肉体は拳の直撃を受けても致命的なダメージをもらわずに済んだのだ。
この二つの魔法がどっちかでも一瞬発動が遅れていたら、今頃死んでいただろう。
それほどぎりぎりいっぱいの生還だったのである。
『貴様ハ機械ニ頼リキリノ軟弱ナ魔導師デハナカッタヨウダナ。』
機械王にとって魔導師とは、己の持つデバイスに頼りきった魔法しか使えない堕弱な魔導師という認識があったらしい。
これには確かに間違いはない。
今でこそその重要性が知られているために、デバイスに頼らない魔法の習得が重要視されているが、その昔はデバイスに頼った魔法の発動が主であった。
デバイスがなければ戦闘行動はとれず、デバイスが整備中だったりすると一切使い物にならないような魔導師が昔は多数いたのだ。
現在は、対魔法技術に対抗するのにデバイスと術者の両方が一つの魔法を
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