霧の森
衝撃
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あ、ありのまま起こったことを話すぜ!
オレは霧の森の奥深くで絶賛産卵中のネンエキゴケをセリナと一緒に目撃したんだ。そしたら急に痛みが走って意識がなくなった。
何言ってるかわからないと思うが、オレも何が起こったのかさっぱりわからないんだ。
殴られたとかそんなチャチなモノじゃない。もっと恐ろしいものの鱗片を味わったぜ。
ついでにオレの前にひざまずいてオレの身体を見ているセリナさんがいる。
「う……。うう……。」
「動かないで。」
体に電撃に似た感覚が走る。
「もとはと言えばお前が、あがっ!?」
「わ、悪かったわよ。いきなりあんなことしちゃって。」
「ああっ!!!?」
「ひゃっ!?」
己の身体に快感?が走りビクッとなった。
「ビクンビクンしてる。」
「お前遊んでいるだろ。」
「遊んでなんかないもん!チャンと手当てしてるもん!」
「もんって………。」
お分かりだろうか。オレたちは決していかがわしいことをしている訳ではない。
セリナさんの能力暴走に巻き込まれ、負傷し気絶したオレを手当てしているだけだ。
そしてついにセリナの能力が発現した。ちゃんとした測定をしなければ確かなことは言えないがおそらく電撃系の能力だ。それもかなり上位の。
通常の電撃系能力の暴走でも半径30mのクレーターは出来ない。出来たとしてももっと小規模なものだ。
因みにオレの能力は炎・闇を操るもので。どんなものかは後々教えよう。
「いててっ!!!??」
「ああもう、じっとしていて!傷薬が患部に当たんないでしょ!」
「ちゃんと当ててくれるならな!」
まだ身体の一部が麻痺しており勝手にピクピクしたりビクンビクンしたりするから、ずっとこの調子である。
「まあ、とりあえず能力開花おめでとう。」
「あ、ありがとう……。」
自分の能力を褒められて嬉しそうだ。
オレの好感度が上がったと信じたい。
「セリナ、もういいぞ。あとは自然に治るから。」
「わかった。」
「さて、こんなデカいクレーターを空けたとなると、二つ名が着くやもしれんな。」
「二つ名?」
「二つ名っていうのは、その人に対して畏敬の念を抱いたりされると着く場合が多い。」
「畏敬の念って……。」
まあ、読んで字のごとく、だ。
「二つ名ってもらっていい物なの?」
「うれしい半分面倒半分。大抵の二つ名持ちは装飾品のように貴族に買われるんだよ。」
魅力あるものはどんな手を使ってでも手に入れるのがここの貴族だ。中には権力欲しさに世界を滅ぼしかねない危険な魔法を使おうとした者もいた。
「ふーん。カズヤは二つ名持
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