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剣の丘に花は咲く 
第七章 銀の降臨祭
第二話 三匹がイク!!
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嬢ちゃんから襲ってるのか……いやまあ、別にいいけどよ……何時もと同じが嫌だって言うんなら、何時もと違うやり方で誘ってみりゃいいんじゃねえか?」
「何時もと違う?」

 顎に指を当てながら、コテンと首を傾かせるルイズ。

「おう……そうだな。例えば、こういうのはどうだい――」

 デルフリンガーがルイズに自分の考えを話すと、最初は渋っていたルイズだったが、デルフリンガーの最後の「これなら相棒から襲ってくるんじゃないか」という言葉が決め手になり、その案を採用することになった。
 方策が決まると、ルイズは早速行動に出る。まずは宿屋の召使に買ってこさせた黒い毛皮を加工し、目的のものを作り出す。ルイズの裁縫の才能はゼロと言ってもいいが、構造が単純であったことと、作業量が少ないことから、無事に目的のものが完成する。
 ルイズは完成したものを目の前で広げると、作業で出た汗とは違う汗が頬を伝う。

「ほ、本当に、こ、これを着るの?」
「なかなかいい出来じゃねえか。これを着てお前さんが語尾に『にゃん』でも付けて迫りゃ。もともと迫られるのに弱い相棒はイチコロだろうよ」
「い、イチコロ……で、でも……やっぱり恥ずかし過ぎるわよッ!?」」

 絶叫し尻込みするルイズの前に広げられているものは、五点セットの変身グッズだった。
 変身するものは黒猫。
 着ること自体は簡単だ。
 いや、簡単すぎると言ったほうがいいだろう。

 三角に切り取った黒い毛皮を取り付けたカチューシャ。
 胸に巻くバンドに黒い毛皮を取り付けたもの。
 同じく毛皮を貼り付けたショーツ。
 毛皮を筒のように巻いて作った、即席の靴下。
 そして……余った毛皮を一本の縄のようにして作り上げた尻尾。

 以上五点セットを、服を脱ぎ着ることで等身大の猫に、それも男にとって非常に魅力的な牝ね……黒猫早変わり出来るのだから。
 しかし欠点を上げるのならば一つ。
 出来上がったそれは、身体の要所だけ(・・)……本当に要所だけ(・・)を黒毛皮で隠したものだったのだ。
 これを着たらもう痴女としか言い様がないだろう。
 真っ赤な顔で逃げるように、床に広げた衣装から後ずさるルイズの足を止めたのは、

「まあ、確かに。これはやりすぎかもしんねえな。これを着たお前さんを見たら、いくら相棒だって、理性が吹っ飛んで襲いかかってきそうだしな」

 デルフリンガーが何気なく言った言葉だった。
 ピタリと足を止めたルイズは、顔を俯かせワナワナと震え出す。デルフリンガーがそんなルイズの様子に気付き、声を掛けようとした瞬間、バッと顔を上げたルイズの目には、ある種の決意があった。

「お、おい?」

 デルフリンガーの声を無視し、ルイズは部屋の隅に向かって歩き出す。部屋の隅に
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